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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十三話 教会はカトリックなんだろうか?
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論議を繰り返す。その中で自己暗示によって造られた上辺の思考が尋ねる。

「なん、で……」

「だって僕は敵を討つんだよ。君が死ななきゃ敵を討てないじゃないか」

「そん、な、お願い、シュライ、バー……奥に連れてって、くれるだけで、いいの」

「ああ、うるさいな!!君は僕がするのは敵討ちだよ!!かーたーきーうーち!!大体、君が此処で死んでもハイドリヒ卿の一部になれるんだから問題ないじゃないか」

ルサルカはそれを聴いた瞬間、全ての思考が止まるどころか凍りついた。マテ、ナンダソレハ、ドウイウコトダ。フシニナレルノジャナイノカ。アノコワイゲイカノイチブニナルトイウノカ?

「だから殺そう。ユサシローを殺そう。僕の総てで、愛で、悲しみで、憎しみで、総てで殺そう」

駄目だ!あきらめるな意識を保て!運はまだ私を見放していないはずだ。今生きることだけを考えろ。そうでないと壊れてしまう。

「あはは、あはははははは、アハハハハハハハハ―――!いい!イイよこの感じ!こんな理由で人を殺すのは初めてだ!ああ、ああ、アンナありがとう!君の敵は必ずこの手で討ってあげるからね!アハ、アハハ、アハハハハハハハハハハ――――――ッ!!」



******


「ティトゥス、君はいつまで寝てるんだい。起きないと宿主が持たないかもしれないよ」

一人ヴィルヘルムと司狼が戦っているところから離れて観戦しているティベリウスはそう呟く。元主であるアルフレート(もっとも七人中、主と認めているのは三人だが)曰くティトゥスはバグの様な者だと言っていたが、それが関係しているのかもしれない。

「それにしても、白化(アルベド)が現れるとは運が良いのか悪いのか」

ウォルフガング・シュライバー。聖槍十三騎士団第十二位にして悪名高き狼(フローズヴィトニル)。少なくともティベリウスでは手も足も出ない。だが、

「あれがヴィルヘルムの邪魔をするというなら容赦はしないさ」

忠を誓った臣として、たとえあれが狂戦士(バーサーカー)であり、勝ち目が無い戦いだとしても立ち向かわなければなるまい。そうなるというなら自身の総てを対価にしてでもヴィルヘルムを勝たしてみせる。
容赦はしない。邪魔するならどんな手を使ってでも殺す。ルサルカの内に居る者も、元主であったアルフレートを利用してでも殺して見せよう。

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