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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十三話 教会はカトリックなんだろうか?
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かね?」

「始めまして、このたびヴィルヘルム・エーレンブルグの臣となったティベリウスと言います。以後お見知りおき、の必要はなさそうですね」

司狼の疑問に答えることは無いが名乗りを上げたティベリウス。司狼はそれが何なのか当たりをつけていたが自分にもあたる可能性があるので気にする必要は無いと決めた。

「そりゃまあそうだな。此処で俺が勝つからお前等と話す機会なんてもう無いだろうし。後、あれなんだよ。オマエを見てると何かノイズが走ってうぜえんだよ」

既知なのか未知なのかはっきりとしない感覚。深く見れば見るほどそれは分からなくなっていく。思考の渦に嵌っていくかのように底なし沼に落ちるかのように。違和感が感覚を覆っていく。

「死ぬのはテメエだ。まあ、俺らと同じ土俵に立てたことは評価してやるが今のテメエじゃ勝てねえよ。活動ぶっとばして形成までいたれたのは褒めてやるが、その様子じゃあ創造は出来てねえんだろ?」

「ハッ、だから?お前らの言う形成まででも時代遅れのバンピー程度に負けるほど落ちぶれちゃいねえぜ」

司狼は自分の銃であるデザートイーグルを構え連射する。それは今までの物と違って黒円卓である彼らに傷をつけることが可能なものだった。

「さあ、再戦といこうじゃねえか!!」

「ぬかせ!今度こそ徹底的に殺しつくしてやる!!」



******



「だから、ね……助けて、シュライバー」

「おお、おおアンナ、どうして誰が君をこんな目に」

今にも死にそうなルサルカは自己延命させる術式を使い何とか命をつないでいた。しかし、それでもそれは延命までであり、肉体を再生させることが不可能な状態であったルサルカは自己暗示をかけ目の前に現れたシュライバーを愛し、口説いて自分の工房にまで連れて行ってもらうように頼んでいた。
シュライバーはルサルカのことを愛している。少なくとも三百年近く生きていたルサルカはそう予想していたし、事実としてシュライバーはアンナが死にそうになっているのを悲しんでおり、それは成功しているかのように見えた。彼の内面を知りえなければ。

「それで、アンナ。君をこんな目に合わせたのは一体誰なんだい?僕が敵を討つから」

ルサルカに余裕があればこのときの彼の違和感に気付いただろうか?どちらにせよ既に手遅れなので詮無きことと言えるのだが。

「遊佐、司狼よ。私の聖遺物を奪って、こんな目に、合わしたの。……ねえ、もう良いでしょ。私を、奥まで、連れてって、頂戴」

「ん?君は何を勘違いしているんだい?僕は君を奥に連れて行く気は無いよ」

瞬間、ルサルカの思考が止まる。なぜ、この子は私の自己暗示に気付いたのか。それとも何か手違いでもあったというのか。止まった思考でグルグルと結論の出ない
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