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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十三話 教会はカトリックなんだろうか?
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?テメエはアレ見て如何思うよ?」

「万に一つも無い可能性の中で掴み取るとはやはりアレは神に愛されてるのでしょう。出なければアレをヒトと呼んでもいいのか悩んでしまう」

突然現れたティベリウスと呼ばれた男。ルサルカはそれを見て驚愕をあらわにするが言葉にする前にヴィルヘルムに尋ねられる。

「まあ、俺にとっちゃあ、男も女も二つに一つだ。そそるか、そそらねえか、てめえじゃそそらねえよマレウス。
それがなんだ、守備範囲外なんで放置してりゃあ調子くれて、俺の餌ァ攫うなんざ舐めた真似こきやがってよォッ!!」

咆哮は轟音となり、殺気が爆ぜる。今まで押さえ込んでいた分を吐き出すかのように放たれた。が、

「もう少し待ちましょう。それで出てこなければ殺せばいいだけの話です」

「チッ、そうかいそうかい。わっーたよ」

仕方なし、といった様子で殺気を収めるヴィルヘルム。それがあまりにも奇妙な光景に映ってルサルカは驚愕していた。矛先を収めたヴィルヘルムにも、それを諌めたティベリウスという男にも。

「貴方達、一体何なのよ」

「それよりもお体の方は大丈夫ですか?特にその押さえている腹部の辺り」

ワケのわからない心配をいきなりされるルサルカ。そう尋ねられ初めて自分が無意識に腹部を押さえていたことに気付く。その様子をヴィルヘルムは喜色満面で見ており、まさに期待通りと言わんばかりに顔を喜びで現している。そして……

「あ、ああああっがぁぁっぁぁぁぁぁっ!!」

腹を割かれる。子宮あたりから腕が伸び、鎖を這わし血をあふれさせながら現れたのは一人の少年だった。

「復ッ活!!とでも言やァいいのか、この場合はよ」

遊佐司狼、ボトムレスピットでルサルカに食われたはずの彼は食らったルサルカ自身の腹から現れ、そしてその存在を進化させていた。

「ふふ、はははは、あはははははは―――ッ!いいねぇ。最高だぜ!マレウスの聖遺物奪って腹破るなんざ万に一つも有り得ることじゃねえぞ」

「ですが、貴方もそうなることを期待していたのでしょう。少なくとも二割と予測していたのでは?」

「つーか、オマエ誰だよ」

笑いながら司狼はヴィルヘルムと会話をしているティベリウスに尋ねる。見た目はある意味ヴィルヘルムよりもこの時代(世界)にそぐわないであろう黒い服装。現代風の基調ではあるもののその質感に対して違和感しか湧かない。何故なら黒とは此処まで暗い色だったかと思わせるからだ。例えるなら黒い服が色鉛筆で塗ったのに対して黒の絵の具で塗り潰したかの様な色。世界すらも塗り潰してしまいそうな黒だった。しかし、尤も気にするべきはそこではない。

「オレ、他人よりは目が良いつもりなんだけどよ……はっきりオマエのことがはっきり見えないのはどういうこと
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