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戦国異伝
第八十二話 慎重な進みその二
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ます」
「そのことですか」
 ここでだ。明智が丹羽に言ってきた。その言うこととは。
「一つ考えがあります」
「考えとは」
「はい、我等のその波多野氏への切り崩しです」
 明智が言うのはこのことだった。
「このことですが」
「切り崩しですか」
「はい、それですが」
「では波多野についている国人達もまた」
「声をかけていきましょう」
 こう述べる明智だった。
「是非共」
「ふむ。敵の城自体を攻めますか」
「はい」
 まさにその通りだというのだ。そしてだ。
 それ以外にもだとだ。明智は庭に述べたのである。
「してその城の本丸もです」
「本丸というとやはり」
「波多野氏自体もです。声をかけるべきだと思います」
 明智がこう言うとだ。丹羽ではなくだ。彼の同僚である細川と和田が怪訝な顔になってそのうえでだ。二人で彼にこう言ってきたのだった。
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