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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
地獄の舞踏会
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レはなんなの? しかも、その時右手……怪我したでしょ?」
「小室にも聞かれたんですが、俺の特殊武器の一つです」
「それは………学校で説明された“鋼糸”ってやつと同じなの?」
「まぁ、そんなカンジです。あと怪我は、本当なら弓で射るんですが無かったので、素手で投げ飛ばしたらこうなったんです」
「その怪我は大したことじゃないのね?」
「ええ、軽い擦り傷みたいなモノなんで………」
「そう………よかった」
「……………ところで、静香先生も大丈夫なんですか?」
蒼騎君は、私の顔を見た後、突然訊ねてきた。
「え………? えっと、大丈夫って?」
「静香先生は車の運転とかやっていますけど、辛いんじゃないかと思いましてね」
「どうしてそう思うのかしら?」
「顔を見れば分かりますよ。先生は小室達の前で疲労の表情を見せていない。………いや、そんなことは出来ない。何故なら、貴女が大人だからだ。俺達の中で唯一大人の貴女が狂ってしまったら、おそらく小室達も狂っているところ。しかも、先生は車の運転スキルがある故、このように要所での役割がある。役割があるからこそ、心を保っていられるがなかったら、精神的に参っていましたよね?」
………驚いた。
蒼騎君は、たった私の顔を少し見ただけでここまで推測できるとは。
「まぁね。たぶん、蒼騎君達と脱出していなかったら、私はすでに《奴等》の仲間になっていたわね。………蒼騎君こそ疲れていないの?」
「いや全然。むしろ、後ろで寝ている連中の方が疲れていると思いますけどね」
「小室くん達は、たった二日でだいぶ変わってしまったわね」
「いやまぁ、まだ良い方だと思いますよ? 俺と違ってこの世界になってから殺しているのは《奴等》だけですから。“生者”を殺した俺と違って、至って普通ですよ」
彼は、そういうとどこか含みのある嘲笑を見せる。
それが私には、眩しいモノを見ているように見えた。
蒼騎君の過去がどんなモノか私は知らないが、おそらく彼は“甘え”と言うモノが知らない。
親からもらう“甘え”を受けずに育ってしまった彼は、それを受けた小室くん達が眩しく見えるのだろう。
“甘え”と“優しさ”を切り捨てなければ、生きてはいけない世界に身を置いてしまった。
私が蒼騎君のことを推測してると、突然彼の手が私の頭の上に添えられて撫でてきた。
「ふぇっ!?」
「いや、先生も疲れが溜まっていそうだし、少しでも楽になればいいと思いまして………」
「え、あ、いや、その、あの、有難う///」
「どういたしまして」
彼は軽く微笑んだ。
その微笑みは、今まで見せていた表情の中でも意図的に笑った表情ではなくて自然と出てきた表情だった。
「私、先生なんだけどなぁ」
「あれ、先生
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