第六話 上城の初戦その九
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何メートルも吹き飛ばされアスファルトを壊してだ。それからだ。
立ち上がりだ。こう言うのだった。
「これで死なないなんて」
「まだ死にません」
聡美は驚きを隠せない彼にも話した。
「貴方はこの程ではまだ」
「そうですか。死なないんですね」
「はい、ですから」
「わかりました。それなら」
刀を両手に構えてだ。そうしてだった。
再びだ。竜に向かいだ。
今度はだ。跳んだ。そのうえで。
上から下に一気に振り下ろす。それで。
竜を切った。だが。
頭部をだ。幾分か切っただけだった。竜はまだ健在だった。
そしてだ。竜は。
逆にだ。その口からだ。
炎を吹いてきた。それに対して。
上城は空中で刀を前に一閃させてだ。水の壁を出してだ。
炎を防いで。そして着地した。それからだ。
首をもたげさせる竜を見上げてだ。言うのだった。
「何て硬いんだ」
「竜の骨は尋常な硬さではありません」
聡美はその彼にまた言った。
「ですから」
「そう簡単には真っ二つにはできませんか」
「はい、そうです」
まさにだ。そうだというのだ。
「ですから。戦い方はです」
「考えなければいけませんね」
「どうされますか、ここは」
「真っ二つにできないのなら」
少なくともだ。頭からはだ。
それがわかった。しかしだった。
彼は諦めてはいなかった。それでだ。
首をもたげさせ見下ろす竜にだ。こう言ったのだった。
「閃きました」
「閃かれたのですね」
「はい、それなら」
こう言ってだ。刀の構えをだ。
「こうします」
「一体何をされるのですか?」
聡美に答えるより前にだった。彼は。
刀を右に構えなおしてだ。その刀を。
一気にだ。投げたのだった。
「刀を?」
「投げた?」
これにはだ。聡美だけでなくだ。樹里も驚いた。
それは剣道ではなかった。しかしだった。
彼はあえてそれをやった。しかもだ。
それだけではなくだ。彼は。
刀を投げてからだ。前に、竜のいる方にダッシュしてだ。
竜の腹に突き刺さった刀を再び持ってだ。それから。
刀を上から下にだ。一気に引いた。それによってだ。
竜の腹は大きく引き裂かれた。そうしてだ。
この世のものとは思えぬ絶叫を出してだ。竜はその巨体を。
ゆっくりと地面に崩れ落ちさせた。まるで糸の切れた人形の様に。
鈍く重い音が響き。竜は倒れた。そして。
巨体がゆっくりと消えてだ。後に残ったのは。
黄金の棒が数本。それだけが残っていた。戦場には。
何もなかった。全てだ。
壊れた筈のアスファルトもだ。元に戻っていた。それを見てだ。
樹里はだ。首を捻って聡美に尋ねた。
「何時の間になおったんでしょうか」
「戦い
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