暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝
第七十八話 播磨糾合その七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「非常に重要になります」
「今は半兵衛がおるがのう」
「それに甚助殿も」
「しかしここでもう一人か」
 信行は自然と考える顔になって述べる。
「そうなるとさらに心強いな」
「はい、その通りでございます」
「やはり会うべきじゃ」
 確かな声で言ってだ。信行は赤松家の面々や国人達と会っていく。そしてだった。その小寺とも会った。その彼が一礼してから顔を上げてからだ。
 その彼にだ。こう言う信行だった。
「小寺半兵衛殿じゃな」
「左様です」
 その通りだとだ。小寺も返す。その彼の返事を受けてだった。
 信行は彼にだ。言うのだった。
「我等は今よりこの姫路城から摂津に向かう」
「そうして三好を討つのですな」
「そうじゃ。それについてどう思うか」
「宜しいかと」
 まずはこう返す小寺だった。そしてだ。
 彼はすぐにだ。信行に己の考えを提案したのだった。
「しかしです」
「しかしか」
「播磨の西と北ですが」
「西と北か」
「まず美作や備後、山陰ですが」
 そうした場所について話すのだった。ここで。
「どちらも安心していいです」
「我等が攻めている間に播磨に入ることはないか」
「はい、ありません」
 そうだというのだ。そしてそれが何故かも話す小寺だった。
「山陰の山名殿は尼子殿の脅威に怯えそちらにかかりきりです」
「尼子か」
「はい、むしろ流れによっては我等につくでしょう」
 そうなるというのだ。山名は。
「既に鳥取の城まで奪われております。ですから」
「尼子に滅ぼされる前にか」
「我等が確かと見るとそうされるでしょう」
 播磨の者達と同じくだ。織田につくというのだ。
「ですから尼子殿はです」
「気にせずともよいか」
「はい、そして美作や備前ですが」
 西だった。今度はそちらの話になる。
「あちらはあちらでそれぞれの家に分かれておりますし」
「しかも安芸のか」
「毛利殿が来ております故」
「播磨に来ることはないか」
「無理です」
 美作や備前にいる者達もだ。そうだというのだ。
「ですから安心していいです」
「左様か。ではこのまま安心して摂津に入ってよいか」
「はい」
 確かにだとだ。小寺は信行に答えた。
 そしてそのうえでだ。彼はまだ言葉を止めずにだ。今度はこう言ったのだった。
「して摂津ですが」
「その摂津か」
「戦をせずともかなり楽に入るやり方があります」
「何っ!?」
 そう聞いてだ。信行だけでなく羽柴達もだった。
 小寺の今の言葉にだ。一斉に声をあげて彼に問うた。
「その様なやり方があるのか」
「戦をせずとも摂津に入られる」
「まさか。流石に三好もそれは許すまい」
「しかしそれができると」
 信行に羽柴兄弟、蜂須賀がだ。それぞれ顔を見合わ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ