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戦国異伝
第七十八話 播磨糾合その三
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「それもすぐにだと」
「天下を目指さぬならばじゃ」
 それならばだというのだ。
「すぐに天下人に従った方がよい」
「その方が家を守れる」
「だからこそですか」
「確かに天下人になるに越したことはない」
 だが、だ。それでもだというのだ。
「しかしそれには運も力も必要じゃ」
「それこそかなりの」
「それがですな」
「織田殿や武田殿、上杉殿程の力が必要じゃ」
 その力だけでもだ。彼等程のものでないと駄目だというのだ。天下の英傑である彼等のだ。
「そして類稀なる運じゃ」
「そうしたものが備わりはじめてですか」
「天下を得られる」
「そういうものなのですな、天下とは」
「しかも長く掴むとなるとさらに難しい」
 男の目はさらに強く鋭い智を見せている。
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