第七十七話 播磨入りその八
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のう」
織田家のご意見番達だ。特に平手がそうである。
「爺達が言うからじゃ」
「勘十郎様はそういえばそういうことはされませぬな」
「どうも苦手でのう」
真面目であるが説教が苦手なのだ。それで言うのだった。
「あ奴にも言わぬ」
「言えばいいのでは?もっとも言って聞く御仁でもござらぬが」
秀長もわかっていた。慶次は風来坊である。それで政等己が嫌いなことは絶対にしないのだ。そしてひたすら傾きそのうえで生きているのである。
それでだ。信行はまた言うのだった。
「しかしやはりじゃ。言うことはじゃ」
「されませぬか」
「うむ、できぬ」
慶次の話はこれで終わらせたがそれでも話に絡めるのだった。
「しかしじゃ。慶次にしても昔のわしは好まなかった」
「ですが今は」
「違いますか」
「うむ、それはない」
こう言ったのである。慶次もいいとだ。
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