第五話 剣士の戦い八
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「ですがそれでも」
「戦いは終わらせたいですか」
「そう思います」
切実な顔でだ。聡美にまた話す。
「戦いを終わらせたい、若しくは」
「若しくは」
「止めさせたいです」
終わらせることが無理ならだ。せめてだというのだ。
「そうしたいです」
「そうですか。それが上城君の考えですね」
「はい」
こくりとだ。聡美の問いにも頷く。
「そうしたいです」
「わかりました」
聡美もだ。上城のその考えをだ。
受けてだ。彼女も頷く。
そのうえでだ。上城にあらためて言った。
「ではその為に動かれて下さい」
「それでいいんですね」
「私も思います」
聡美は目を伏せてだ。上城に話した。
「こうした戦いを果てしなく続けても」
「無益ですよね」
「はい、無益です」
まさにだ。その通りだというのだ。
「しかし私は」
「銀月さんは?」
「戦いを止められませんでした」
目を伏せさせたままだ。聡美は言う。
「何一つとして」
「あの」
その聡美にだ。樹里が目をしばたかせてから言った。
「銀月さんが止められないのも」
「私がですか」
「当然じゃないんですか?」
「だよね。だって文献で知っただけなのに」
「それで止められないのも」
「当然なのでは?」
「僕もそう思いますけれど」
樹里だけでなく上城も言う。
「それは」
「そうじゃないんですか?」
「あっ」
二人に言われてだ。聡美は。
「そうですね」
「というかその戦いって文献を見つけた人が止められます?」
「そんな戦いだと思うんですけれど」
二人は聡美の話を聞いてだ。それで話すのだった。
「そんな派手で因縁ある戦いって」
「とても」
「はい、確かに」
その通りだとだ。聡美も頷いてだ。
そのことを認めた。そのうえでだ。二人にあらためて話すのだった。
「それでなのですが」
「それで?」
「それでといいますと」
「私は文献を調べて」
そういうことにしてだった。聡美は話す。
「無益な戦いを止められればと考えています」
「なら僕が」
上城がだ。ここで言ったのだった。
「そうします」
「戦いを止めてくれるのですね」
「終わらせられるのなら終わらせたいです」
それができればだというのだ。
「そうしたいです」
「ではです」
聡美は上城のその言葉に頷いてだ。
そうしてからだ。彼にこう頼んだ。
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