第七十六話 九十九茄子その十一
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なかった。信長をだ。
出陣し都を発った彼はだ。馬上からその都を振り返り言うのだった。
「さて、都に戻ればじゃ」
「その時には」
「うむ、都をじっくりと見たい」
まずはだ。そうしたいというのだ。
そしてだ。そのうえでだというのだ。
「その後の町の区割りやそういうことを考える為にのう」
「では公方様とのことは」
「儀式は儀式じゃ」
それはそれだというのだ。
「だがやはりじゃ」
「まずはですか」
「政を考える。そういうことじゃ」
「では儀礼よりもですか」
「そのことを考える為に戻ろうぞ」
こう池田に話してだ。そうしてだった。
信長は顔を正面に戻してだ。先に進んだ。彼はまた戦いに赴こうとしていた。そのはじまりは静かに、だが確実にその幕を開けたのだった。
第七十六話 完
2012・1・21
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