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久遠の神話
第五話 剣士の戦い一
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                   久遠の神話
                 第五話  剣士の戦い
 その日の放課後。それぞれの部活を終えて。
 上城と樹里は駅前の喫茶店マジックに向かった。
 校門で待ち合わせて二人で向かいながらだ。まずは樹里が言った。
「あのお店ね」
「マジックだね」
「コーヒー凄く美味しいのよね」
「紅茶もね」
 上城が言うのはそちらだった。
「あとお菓子も」
「そうそう、ケーキとかタルトが揃ってて」
「そうだよね。お店の内装もいいし」
「あれ昔かららしいわ」
 樹里はマジックの内装についても話した。
「ああして。アンティークっていうの?」
「古風な感じの」
「イギリス風みたいだけれど」
「ああいう内装って昔からだったんだ」
「あのお店ってかなり古くて大正の頃からあるらしいわ」
「えっ、そんなに古いんだ」
「相当古くてそれでね」
 マジックのことをだ。さらに話す樹里だった。
「コーヒーも昔からね」
「美味しかったんだ」
「そうみたいよ。お父さんもお母さんも学生時代によく通ってたらしいのよ」
「そういえばうちのお父さんもお母さんも」
 樹里の両親だけでなくだ。上城の両親もだった。
「あのお店にはよく通っていたらしいし」
「学生向けのお店よね」
「かといっても大人が入ってもね」
「いい雰囲気の内装よね」
「そこがいいんだよね」
「だから大正から続いてるのね」
 樹里はマジックについてこう考えるのだった。
 そしてそれに加えてだった。
「あそこのお店の娘さんって」
「あの小柄な人?」
「あそこって確か娘さん三人姉妹だったけれど」
 店の家族の話にもなる。
「長女さんが八条大学の学生さんで」
「ああ、そうだったんだ」
「妹さん達も八条学園の生徒さんで」
「じゃあ僕達と同じなんだ」
「そう。同じ学園に通ってるみたいよ」
 こうした話にもなるのだった。
「まあ。あのお店からうちの学校近いしね」
「そうね。楽よね」
「そうよね」
 そうした話もするのだった。
 そしてだった。遂にだった。
 そのマジックに辿り着いた。マジックは英語で書かれており看板も店の外装もダークブラウンで統一されていた。木造である。
 同じくダークブラウンの木製の分厚い扉を潜るとだ。そこでだった。
 扉からベルが鳴る。その音に応えてだ。
「いらっしゃいませ」
 高い声優さんの声を思わせる可愛らしい声が来た。見ればだ。
 カウンターのところに赤と白のチェックのエプロンを着た小柄な女性がいた。黒髪をショートにしている垂れ目の女性である。
 口からは白い八重歯が見えていて笑顔が零れる様だ。歳は二十歳位であろうか。その人が二人に挨拶をしてきたのだ。
 二人はその挨
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