第四話 中田の告白その十五
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「あの人が僕達にって」
「剣道のことかしら。それとも」
「取材のこと?」
「ううん、わからないわ」
考えられるケースを出してもだ。結局はだった。
樹里にもさっぱりわからずにだ。難しい顔で彼女も首を捻りだ。
こう言うだけだった。そうしてだった。
わからないままだ。上城に話した。
「まあとにかくね」
「今日の放課後だよね」
「私達の部活が終わってからね」
「ああ、それからでいいんだ」
「駅前の喫茶店に来て欲しいって」
「ああ、マジック」
そこにだった。来て欲しいというのだ。そこは二人だけでなく八条学園の関係者なら誰もが知っている馴染みの喫茶店である。
そこに来て欲しいと言われてだ。上城は言った。
「あそこならよく知ってるし」
「行きやすいわね」
「行きやすいことは行きやすいよ」
それはだとだ。樹里にも話す。
「けれど何なんだろう」
「お話のことよね」
「うん、何だろう」
二人で首を傾げさせる。それぞれ。
「本当に」
「とにかく行ってからよね」
「それからわかるわよね」
「幸い今日は部活すぐ終わるし」
「こっちもよ。今日は暇なのよ」
「じゃあ都合がいいよね」
「そうよね」
とりあえずそれはよしとした。それでだ。
二人でだ。頷き合ってからだった。
「じゃあね」
「今日の放課後ね」
「行こうか。それじゃあ」
「そうしましょう」
これでだ。二人の放課後の予定は決まったのだった。
しかしだ。彼はだ。ここでだった。
こんなことをだ。言ったのだった。
「まさか」
「まさかって?」
「そんな筈ないか」
剣、そして魔物のことかと思った。しかしその考えはすぐに打ち消してだ。
あらためてだ。樹里に話した。
「絶対に」
「絶対にって?」
「あっ、何でもないよ」
樹里にはだ。言わなかった。最初のことは。
それでだ。こう否定して言った。
「じゃあとにかくね」
「放課後ね」
このことは言い合えた。そうしてだった。
二人はその日の放課後聡美と会うことにした。それは決まったのだった。
第四話 完
2011・8・2
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