第四話 中田の告白その九
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「念じれば出て来るんだよ」
「日本刀ですか」
「だから。どんな剣かはな」
それはだというのだ。このことはまた話す彼だった。
「剣士それぞれがイメージする奴だからな」
「人それぞれですか」
「その剣士のな。じゃああんたはどんな剣なんだ?」
どういったものをイメージするか。それを問うた中田だった。
「ちょっと念じてくれよ」
「それじゃあ」
その言葉を受けてだった。上城は。
実際にだ。自分の両手の平を見ながらだ。
念じるとだ。出て来たのは。
青い刀身だった。日本刀だ。ただしだ。
その長さはかなりのものだ。一メートル半に達する。そしてその刃は青く冷たく輝いている。その刀を見て中田はこう上城に言った。
「それだよ」
「この刀がですね」
「ああ、あんたの剣だよ」
それこそがだというのだ。
「そうなるからな」
「じゃあこの刀で」
「そうです」
また声が言ってきた。中田に代わって。
「魔物と。そして外の剣士達と」
「戦ってそうして」
「貴方の願いを適えるのです」
「それが僕の運命なんですね」
「既に決まっていることです」
そのことからはだ。どうしても逃れらないと告げる声だった。
「そういうことですから」
「わかりました」
上城は納得できなかった。しかしだ。
それでもだ。憮然としながらも声に対して頷いてみせたのだった。
そのうえでだ。中田を見てだ。彼に問うた。
「なら今からですか」
「ああ、俺とか」
「戦わないといけないんですか?」
彼を見てだ。問うたのである。
「そうなんでしょうか」
「ああ、今はな」
「今は?」
「俺はこれで帰るからな」
そうするとだ。彼は軽い笑顔で上城に告げた。
「今日はなしにしておこうな」
「戦わないっていうんですか」
「そうするさ。じゃあな」
挨拶をして右手を軽くあげてだ。それから上城に背を向けた。
そのまま去る。上城はその背を見送るだけだった。その彼にだ。
声がだ。ここでも言ってきたのだった。
「では今日はです」
「これで終わりですか」
「はい、そうなります」
まさにそうだというのだ。
「とりあえず貴方は剣を手にされました」
「それでこの剣で」
「貴方の願いを適えて下さい」
「僕の願いって」
そう言われてもだった。
上城は考える顔になってだ。それでだった。
洸だ。声に対して答えた。
「まだそれは」
「ありませんか」
「はい、ないです」
そうだというのだ。
「いきなりですし。それに」
「それにとは」
「僕今の状況で満足してますし」
だからだ。それでだというのだ。
「特に何も」
「そうですか。それではです」
「それではって?」
「願いは見つけて下さい」
そ
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