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戦国異伝
第七十六話 九十九茄子その六
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なくとも信長にそれはなかった。その国に進出するならばだった。
 彼はだ。こう言ったのだった。
「その全てを掌握してじゃ」
「確かに。尾張もでしたな」
 大学が信長の話を受けてだ。そうしてだった。
 確かな声でだ。こう言うのだった。
「その国を全て掌握してこそです」
「万全に治めることができるのじゃ」
「ですな。それでは」
「だが焦ることはせぬ」
 それは決してだった。
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