第四話 中田の告白その一
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久遠の神話
第四話 中田の告白
確かに誰にも言わなかった。しかしだ。
上城と樹里は二人になるとだ。いつもこの話をするのだった。
「あのスフィンクスだったね」
「そうよね。実際にああいうのがいるだけでも驚きだけれど」
「しかも。剣がどうとかって」
「どういうことかしら」
首を捻ってだ。二人は話すのだった。
二人は今学校の校舎の屋上で昼食を食べながら話している。食べているのはパンと牛乳だ。学校の購買部で買ったものだ。
それを食べながらだ。上城は言うのだった。今食べているのはあんパンだ。
「僕が。っていうけれど」
「水ってね」
「水臭いって意味じゃないよね」
「まさか。それはないわよ」
樹里は上城の半ば冗談めいた言葉にだ。こう返した。
「上城君って水臭くはないから」
「そう。じゃあ何かな」
「うん、だから余計にね」
「わからないわよね」
二人で話していく。
そのわからないという言葉の中でだ。樹里はジャムパン、ジャムはイチゴのものだ。それを牛乳と一緒に口の中に入れながらだ。
彼女はだ。こう言うのだった。
「水ねえ」
「火と水?」
「そんな感じの話だったけれど」
「何かの謎々かな」
こんな風にも考える上城だった。
「ほら、スフィンクスだし」
「そうよね。だとしたら」
「水?僕が?」
「何かを消すのかしら」
「それか飲むか」
水からだ。二人はこうも考えていく。
「ううん、幾ら考えても」
「わからないわよね」
「どうもね」
二人は今は幾ら考えてもだった。
わからずにだ。結局今はだった。
パンを食べそうしてだ。昼食を済ませることにした。その中でだ。
樹里は今食べているクリームパンについてだ。こう言った。
「この学校のパンって前から思ってたけれど」
「八条パンのパンだよね」
「美味しいわよね」
中のクリームも味わいながら話す。
「優しい味で」
「パンも柔らかいしね」
「そうよね。しかも安いし」
その安さの理由はだ。ここにあった。
「やっぱり。学校の購買だと」
「そりゃ高いと売れないしね」
「ええ。あと作ってるパンも」
「これとかだよね」
上城はすぐにサンドイッチを出してきた。かなり分厚いチキンカツサンドだ。
それを樹里に見せながらだ。そうして話していく。
「サンドイッチだってね」
「美味しいわよね」
「そうそう。一つ一つにボリュームがあって」
「味もいいし」
「恵まれてるわね」
パンについてもだ。そうだった。
「あとだけれど」
「そう、あとよね」
「飲み物も充実してない?」
「してるわね」
それもだった。いいというのだ。
「牛乳
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