青葉時代・終末の谷編<中編>
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れまでのうちはの火遁に対するこだわりなども無くなり悪い意味で行動が読み難くなった。
――けど、負けられない。いや、負けない。
「お前が木の葉に害を為し、オレの守るべき物に……手を出す以上……オレは、お前には、絶対に負けられない……!」
木の葉は私にとって守るべき物であり、失ってはならないかけがえのない存在だ。
火影として、木の葉の里の一員として、負ける事だけは絶対に許されない。
マダラのために死んでやる事など出来ない、絶対に。
ここで私が死ねば、最大の障壁を失ったマダラは直ちに九尾への支配権を取り戻し、里へと攻撃を仕掛けるだろう。
その様を容易に思い浮かべる事が出来て、私は決意も新たにマダラを睨む。
そんな私をどう思ったか。
自らの体から突き刺さった刀を引き抜くと、マダラは血に染まった武具を離れた場所へと放り飛ばす。
そうしてから、くぐもった嘲笑を上げた。
「――……守るべき物、か。かつてはあったな、オレにもそんな物が」
「ああ。……背負い、この身に変えても守らねばならぬ物。お前に取って木の葉は、里の皆は、もうその対象には成らないのか?」
「一族の栄光と未来のために友を殺し弟の目を奪い……一族のためだからこそ、千手の貴様とも同盟を組んだ。だが、オレが守っていた一族の連中は――オレを捨てた」
静かだった。
さっきまであんなにも激しく殺し合っていたと言うのに、今ではすっかり風も凪いでいて、私達の会話する声以外に何も聞こえない。
「友も、弟も、一族も、既にオレには存在しない。守る物など何も無い。あるのは己の身一つと、千手柱間――貴様と一族に対する憎悪の念、ただそれのみだ」
「――オレも……ヒカクさんも、お前が木の葉に戻ってくるのを待ってたぞ。オレ達だけじゃない、他のうちはの人達だって……きっと」
――分たれてしまった道と、交わる事の無い平行線の会話。
仲間だと思っていた。
同じ痛みを経験した者同士、いずれは分かり合う事が出来るのだと信じていた。
そう思いながら言葉を紡げば、マダラの表情が歪む。
「その目……」
目? 目がどうしたのだ? 訳が分からなくて、眉間に皺を寄せる。
「貴様はいつからオレをそういう風に見る様になった……?」
「……どういう意味だ?」
「憎しみも、敵意も貴様は抱いていない。こんなにもオレは……貴様の事が憎く、殺してやりたいと思っていると言うのに……!」
「――っ!!」
マダラの足が地を蹴って、私へと肉迫する。
咄嗟に木遁の壁を作って、背後へと後退――それから印を組んで水遁の術を正面へと放つ。
マダラの豪火球と私の水遁・水龍弾とが激突して周囲を水蒸気の幕で包み込んだ。
「オレがこの目で見た
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