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戦国異伝
第七十五話 都に入りその二
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を見て言うのだった。
「これはのう」
「前に来たよりもこれは」
「うむ、酷くなっておる」
「先の公方様と三好、松永の戦のせいでしょうか」
「それだけではあるまい」
 信長はそのことだけにだ。原因を求めなかった。
 それでだ。こう言うのだった。
「延暦寺の僧兵達じゃ」
「あの者達ですか」
「今も都に出て来ては暴れておるそうじゃな」
「それは平安の頃からでして」
 つまり僧兵というものができてからだ。延暦寺の僧兵達は何かあると都に出て来て強訴等をしているのだ。それは相手が法皇であっても同じであったのだ。
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