暁 〜小説投稿サイト〜
久遠の神話
第三十六話 中田との戦いその七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「そうなるわ」
「なら僕はそれは」
「選ばないわね」
「嫌です」
 その選択肢はだ。絶対にだというのだ。
「それはしたくないです」
「そういうことになるわね」
「そう思います」
 これが今の上城の考えだった。
「ですから最初から逃げたくはありませんでした」
「それと共に戦いたくなかったのね」
「そうでした」
 既にだ。言葉は過去形になっていた。彼の場合はそうだった。
「ですが今は」
「もう迷わないわね」
「そうします。絶対に」
 こう聡美に答えた。
「僕はもう」
「わかったわ。それじゃあね」
「それじゃあ?」
「私も出来る限りのことをするから」 
 聡美も上城に対して言う。
「頑張ってね。そして」
「死ぬなっていうんですね」
「絶対に。最後まで生き残って」
 そしてだというのだ。
「この戦いを終わらせてね」
「わかりました。絶対に」
「そうしてね。ただ」
「ただ?」
「まだ剣士は全員出ていないわ」
 他の剣士の話をだ。聡美はしてきた。
「全部で十三人いるのは知っているわね」
「はい、そのことは」
「今出て来たのは八人よ」
「あと五人ですか」
「その五人がどういった人達なのか」
 それはだ。どうかというのだ。
「気になるわよね。やっぱり」
「そのことは銀月さんは」
「わからないわ。私には」
「そうですか」
「けれど力はわかるわ」
 それぞれの剣士が持っている力、それはだというのだ。
「君は水よね」
「はい、僕の力はそれです」
「十三人の剣士はそれぞれ違う力を持っているのよ」
 つまり水の力を使う剣士は彼だけだというのだ。
「今は君の水に火に」
「中田さんですね」
「その二つと雷、土、木、光、闇」
「あと魔ですね」
 これは加藤の力だ。
「これで八つですね」
「そう。そして後の五つは」
 その力についてだ。聡美は上城に話した。
「重、重力にね」
「重力ですか」
「それと金、風」
 この三つ、そしてだった。
「熱と幻よ」
「それが残りの五人の剣士のそれぞれの力ですか」
「ええ、そうよ」  
 聡美は上城に話した。
「この五つよ」
「その五つの力を残り五人の剣士がそれぞれ持っているんですか」
「力はそれぞれ性質があるけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「強弱はその剣士の実力によるから」
「だから木の力でもですか」
「火に勝つこともできるわ」
 これもまた可能だというのだ。
「それもね」
「じゃあ僕も」
「苦手な力があってもね」 
「僕の実力次第で、ですね」
「勝つことはできるから」
「わかりました。そうなんですか」
「強くなってね」
 聡美の今の言葉は切実なものだった。
「そしてね。絶対にね」
「戦
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ