第百五話 敵軍の歌姫、蒼き流星
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第百五話 敵軍の歌姫、蒼き流星
「困ったわ」
フレイはシャワールームでぼやいていた。ミリアリアも一緒である。
「御水がこれだけしかないなんて」
見れば盥に二つである。それだけだった。
「これじゃあ髪の毛なんて洗えやしないわ」
「仕方ないわよ」
ミリアリアがぼやくフレイに対して言う。
「今は御水もないから。もうすぐ一杯手に入るっていうけど」
「一杯!?」
「ええ、普段はこの艦でも御水を作れるらしいけど今は一杯人がいるでしょ?」
「ええ」
それが民間人のことであるのは言うまでもない。彼女達もまたそうだからである。
「だから。節約してるのよ」
「そうなの」
「まあ、我慢は今だけよ」
そう言ってフレイを宥める。
「こうやって身体拭けるだけでもね。まだましよ」
「それでも」
「替えの下着、持ってるわよね」
「一枚だけなら」
「よかった。じゃあ脱ぎましょ」
「うん」
二人は服を脱ぎはじめた。フレイはピンク、ミリアリアはライトブルーであった。
「貴女、結構胸大きいのね」
ミリアリアはフレイの身体を見て言った。
「そうかしら」
「そうよ。まあラミアス艦長も凄いけどね」
「あの人は確かにね」
それはフレイも認めた。
「胸だけじゃなくてプロポーション全体がね」
「そうよね、まるでモデルみたい」
「あの副長さんも以外と胸大きいし」
「そうなの?」
「あれっ、気付かなかったの?私すぐにわかったけれど」
「それは気付かなかったわ」
「私、どうもあの人のことに目がいくのよ」
「へえ。何で?」
「何故かしらね。声も似てる気がするし」
「あまりそうは思わないけれど」
ミリアリアはそれには首を傾げさせた。
「また二人そんな人に会いそうだし」
「そういえばサイもそんなこと言ってたわね」
「そうなの」
「あとあのデュオって子」
「ああ、あの子」
「何か敵に声が似てる人がいるってぼやいてたわ。それも二人も」
「何か変な話よね」
「そのうち誰が誰の声かわからなくなったりしてね」
「まさか」
そんな話をしながら束の間の休息の時を取っていた。その頃クルーゼ率いるザフト軍は的確にアークエンジェルの動きを掴んでいた。
「木馬、いや」
クルーゼは自分と同じ白い軍服の金髪の美女と会っていた。そして話をしていた。
「足付きか。あれは」
「はい。流石に木馬ではまずいかと」
「そうだな、ふふふ」
「それでクルーゼ隊長」
「わかっているよ、タニア君」
「はい」
その女の名をタニア=グラウディスという。ミネルバの艦長でありミネルバ隊、即ちグラウディス隊の隊長でもある。クルーゼの同僚なのだ。
「彼等は今デブリ帯に向かっている」
「はい」
「そしてロンド=ベルにも救援を入れ
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