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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十二話 反逆、そして同盟
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何だそれは、と蓮は思う。事実、錬金術による黄金練成の要素に五色以外の色が入ることはないし、あったとしても水という要素が入ることは無い。水騎士(アグレド)などというものは存在しないのだ。
しかしクラウディウスは水騎士(アグレド)という称号をいった。それが意味することは、

「あ奴はなんとしてでも斃さねばならない。でなければ色の代替として機能してしまう」

「色の代替ですと?そのようなことが現実に可能なのですか?」

「それがあ奴の役割だ。三色はその質を英雄として認められたものにのみ、その役割を与えられる。色が欠ければ完全な黄金練成は出来ない。では、そのように簡単とは言わずともすぐさま実行できそうな弱点を果たしてカール・クラフトは用意するだろうか。
弱者である翠はもはや敵である他者からすら守られる存在へ、黄はそもそも砕けれぬ、ならば何故他の三色に対策がこうじられていないと言えるか」

事実、彼らが朽ちれば黄金練成を完璧にすることは出来ない。いくら不死者(エインフェリア)といっても斃されてすぐさま蘇ることはできないのだ。ではどうするか。簡単だ、代替を用意すればいい。

水騎士(アグレド)とはつまり、三色に成り代われる存在。そうであれば、例え一色が欠けてもあ奴が代替として機能し、黄金練成を完成させてしまう。
これを見越した上で黄金練成を防ぐ手段は三つ。二色を欠かすか、一色を欠かした上であ奴を斃すか、三色以外を欠かすしかない」

水は無色透明の物質。故にどの色にも染まる。つまりはそういうことなのだろう。

「結局二人以上斃さないといけないってわけかよ」

「となれば優先順位をつけるべきだと私は思います」

ヴァレリアがそういう。優先順位、斃す上で誰を優先して狙うべきか。現状の戦力は蓮、ヴァレリア、クラウディウス、そして出来れば説得して螢と螢を連れて行ったトバルカインを味方にしたい。その上で誰が誰を狙うか。
クラウディウスがアルフレートを狙うことは論外、眷属に過ぎない彼では勝つことは出来ないから。蓮も相性を考えれば避けたほうが良い。つまり唯一相性を判断できないヴァレリアが最も勝つ可能性は高い。さらに言えばクラウディウスがサポートに付けば勝率は高まるだろう。逆に蓮は大隊長を一人、斃さなければならない。少なくともヴァレリアがアルフレートを斃すまでの時間稼ぎが出来なくてはならない。

「結論から言ってやはり我々は戦力が足りない。やはりレオンハルトも味方につけるべきでしょう。そして後は戦略で補うしかない。最低でも一対一、出来れば二対一の状況に持っていきたい、といったところでしょう」

そうして、三人は螢がいるであろう公園まで向かい交渉を行いにいった。

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