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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十二話 反逆、そして同盟
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るほど抜けているわけでもない。ましてやここはスワスチカが開き、周囲にはもはや人は愚か生命すらない。そんな中で声を掛けてきた相手に目を向けると、
「やあ」
今にも消えてしまうのではないかと思えるほど存在感の薄い存在がいた。しかし、それを見た瞬間、彼はこれを理解したのか嗤い出す。
「くは、かはははは……そうかテメエか、なるほどな。そりゃまた面白い趣向じゃねえか」
一頻り笑った後、ヴィルヘルムは確認を取るような形で話しかける。
「じゃあ、やっぱりテメエがナウヨックスの■■ってわけか?」
「その通り、君に忠を誓う様に言われてる。今より貴方が自分の主だ。我が名はティベリウス。これより御身に使え、御身の敵を駆逐し、御身の望むままに命を聞き届ける」
膝を付き頭を垂れ忠を誓う人物。その構えが気迫が気配が彼の忠は本物であることを証明する。これより死ねと命ずれば死ぬだろう。ナウヨックスを裏切れと言われれば裏切るだろう。
ここに白の吸血鬼に使える影の騎士が現れた。
(ああ、おもしれぇ。相変わらずテメエはおもしれぇよなナウヨックス。俺はオマエの事を買ってはいるんだぜ。クラフトの野郎と違ってこうやって俺に楽しみを与えてくれるんだからな)
******
「一つ聞きたい。結局おまえ等の中でアルフレートってのは一体何なんだ?」
結局、蓮はクラウディウスという人物を信じることにし、自身が根本的に疑問に思っている事を聞いた。例え目の前にいるのがアルフレートの眷属であろうともそれが聞きたい。一体アレは何なのか、と。故に尋ねた。その回答は、
「影だ。あれはこの世にいてはならない存在。私も含め我々は今のこの時代にいることもこの世界にいることも異端の存在だ」
「影?だから俺はそれが何なのかを聞きたいんだ。お前らがアレを影って認識してるのは分かるが、その影ってのがそもそも何なのかを教えて欲しい」
「彼は我々よりも先にハイドリヒ卿と出会っていた人物なのです。
ハイドリヒ卿は1939年にて最初にベイとシュライバー、続く形でザミエル、ベアトリス、リザ、マレウス、私。ゾーネンキントはこの時点で予約席であり、シュピーネは私が、カインはザミエルが引き抜き、そして最後にマキナ。ですが彼は我々はおろかこの黒円卓が出来る切欠となったカール・クラフトよりも尚、先に出逢っている。そして彼だけは我々のように彼に屈していない。恐ろしいとすら感じますよ。黒円卓にいる我々は皆すべからく彼に屈したというのに」
それを聞いて蓮は驚く。当然だろう。彼が圧倒された大隊長、彼らですら屈した相手にアルフレートは屈していないというのだから。
「さらに言うならあ奴は
水騎士
(
アグレド
)
なのだ」
「あぐ、れど……?」
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