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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十二話 反逆、そして同盟
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身はもはや現界することはできんがな。メリットは膨大な魂の力と聖遺物を吸収相手に与えること。デメリットはその時点で存在が喰らわれることだ。
最後に強奪に関しては依存・共存相手を逆に喰らうこと。敵が死ぬ直前にそれを喰らうのもありだがな。メリットは現界の制限がなくなることと、取り込んだ相手の能力を手に入れれることだ。
説明すべき点としてはこんなところだろうか。理解してくれたか、お二方?」

「しかし、それが本当だという証拠はどこにもなく、さらに言うなら話を聞く限り強奪とやらは私にとって脅威となるのでは?その上で交渉ですと。あなたは現状を理解しておられるのですか?」

確かにそうだ。こいつの言ってることが本当だという確証なんてまったく無い。それどころかそうやって俺たちに間違った情報を与えて惑わす気かもしれない。

「理解している。そしてそれを証明するものもない。が、あえて説明させてもらうならば我々六人の内聖性の物質に触れることが出来るのは一人しかおらん。信用されないことは承知の上で現れたのだ。私は奴等の行いを認めるわけにはいかんのだ。私が彼奴等を殺すのに手を貸しては貰えぬか!」

根拠も無く納得も出来ないが目の前の相手を見てこいつは信頼できると俺は思った。何故なら俺はこいつが裏切るなんて結末を知らなかったから(・・・・・・・・)




******



―――遊園地―――

「つまらねぇ」

白皙(はくせき)の魔人、ヴィルヘルム・エーレンブルグはそう呟く。
そこは既に多くの人々を楽しませるテーマーパークではなく血潮に塗れ、建物もアトラクションも倒壊し、生けるもの総てが死に絶えていた。
しかし、これは所詮、彼にとって任務の一環という体裁をとっただけの憂さ晴らしである。その上で彼はその憂さが晴れることはなく、そう吐き捨てることも無理ないことだった。
彼は思う。いつもそうだったと。九十年近く生きてその大半を略奪と殺戮に費やしながらも、興味を持った獲物に限って他人に奪われる。真から求めたものほど手にはいらない。

「ここまで来ると業ってやつかね。もう一滴残らず絞りつくして、交換したはずなんだがな」

血を流すのも、他者から吸い上げるのもそのために。己の宿業を破却するには、血の縁をリセットする以外、思いつかないというだけ。故に、足りぬというなら繰り返そう。他の方法など今更思い浮かばない。血を流し血を吸い上げ、己を新生させ続ける。

「となれば―――」

「それもまた一興。なあその話、自分ものらせてもらえない?」

そう一つ策を思い浮かばせ、いざ実行に移さんとした所で声を掛けられる。少しばかりいきり立つと同時に若干の驚きを見せるヴィルヘルム。彼は別段索敵に優れているわけではないがそばで声をかけられ
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