第百三話 キラ=ヤマト
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第百三話 キラ=ヤマト
プラントの連邦政府への宣戦布告はそれだけではなかった。必然的に攻撃を仕掛けてきたティターンズとも戦争になり、そしてネオ=ジオンもまたナチュラルである為プラントは敵視していた。戦いはそのまま四つ巴になろうとしていた。
その中でプラントはすぐに作戦に移ろうとしていた。総動員令がかけられ既に作戦が発動されていた。
「オペレーション=ウロボロスか」
「はい」
パトリックはシーゲルと二人で議長室にいた。
「決定は議会の総意です」
パトリックはシーゲルに対して言う。
「今更覆すことは許されませんぞ、クライン議長」
「それはわかっている」
それは議長である彼が最もよくわかっていることであった。頷くしかなかった。
「我々は自由と独立を自らの手で勝ち取るのです」
「だが」
それでも彼にはまだ迷いがあった。考える余地があったのだ。
「議長」
しかしパトリックはそんな彼にさらに言う。
「地球連邦政府が我々に何をしたか忘れたのですか!?」
血のバレンタインではない。今までのことだ。
「政府は我々が黙殺することは我々が権利を有する一個の人間とは認めていないことの証ですぞ」
「しかしだ」
シーゲルは反論する。
「それでも我々はナチュラルと共存してきた」
「だが、それも終わりです」
しかしパトリックはそれを切り捨てる。
「今後の連邦の政策は、我々に忍従と隷属を強いるものです」
「果たしてそれも」
「わからないと仰るのですか?」
「確かに三輪長官の様な人物もいる」
「はい」
彼の出鱈目さはプラントにも知れ渡っていた。
「だが。彼だけではない」
シーゲルにはそれがわかっていた。
「ミスマル司令やイゴール長官は話がわかる人物だという。それにロンド=ベルは」
「我々の為に戦ってくれましたな」
「そうだ、ティターンズと」
「しかし彼等と同じ連邦軍は我々に攻撃を仕掛けてきた」
「あれはブルーコスモスの陰謀ではないのか?」
「確かにそれもあるでしょう」
パトリックはそれを認めた。
「しかし連邦軍が我々に攻撃したという事実はどうなりますか」
「どうなる、か」
「そうです。あれは紛れも無く殲滅を意図したものです。違うでしょうか」
「その指揮官はサザーランド提督だったな」
「はい」
「だがその彼は今行方を絶っている」
「ティターンズの差し金だと」
「そうだ。ならば我々はティターンズとだけ戦えばいいのではないのか」
「甘いですな」
しかしパトリックはそれを吐き捨てた。
「甘いか」
「そうです。実際にナチュラルの間には我々の存在を知り、排除しようという動きが出ております」
「それは知っているが」
「ならば議長」
パトリックの声が強くなる。
「ナチュラル
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