第百話 スターライト=セレナーデ
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彼等は立派な戦士であったことは彼等もわかっていた。
「あの敵の指揮官リヒテル提督にしろ。卑劣なところはない」
「彼等は。決して邪悪ではありません」
「そうだな。では一体何故こういうことになったのか」
「そこにも謎がありそうですね」
「だな」
「ただ、これだけは言えます」
「何がだ?」
「我々の中にも高潔な者がいれば卑しい者がいるように」
「彼等の中にもいるかも知れないか」
「彼等の考えは我々のそれと非常に似ておりますし」
何度も戦ったからこそわかることであった。
「若しかすると。双方の中にいる何者かがこの戦いを企てたのでないでしょうか」
「何者かが、か」
「我々が戦い、得をする者が」
「人類、若しくはバームにいる」
「その者を倒せばこの戦争も終わるでしょう」
「わかった、ではそちらもあたってくれ」
「はい」
ブライトは頷いた。
「では今よりバームとの戦いに向かいます」
「この戦争、双方にとってあまり利はないが」
「だからこそ終わらせるべきです」
その言葉が全てを物語っていた。無益な戦争を終わらせる為の最後の戦い、それが今ロンド=ベルが向かう戦いなのであった。
「では検討を祈る」
「ハッ」
最後に敬礼で別れた。ロンド=ベルは地球圏にある小バームへ向かっていた。そこに全ての決着があった。
第百話完
2006・6・17
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