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人狼と雷狼竜
真夜中の遭遇。紅い曳光
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装は別れる前に着ていた着物でなく、サイズが少し小さいらしい防具と、使っていたものとは違う剣と盾を持っていた。
「ここに居たんだ。心配したんだよ?」
「……」
 安堵の溜息混じりに話す神無に、ヴォルフは何を言うべきか分からなかった。
「ねぇ」
 ヴォルフが黙っていると神無の後ろに居た、カチューシャを付けた少女が話しかけてくる。
「貴方、何をしているの? 言うべき事があるんじゃないの?」
 少女はかなり怒っているようだ。今のヴォルフの行動がヴォルフ自身だけじゃなく、彼女達も危険に晒しているのだと糾弾している。
「……村に戻れ。俺はここでいい」
 ヴォルフはそう言って調理中の肉に視線を移した。
「ちょっと! 質問に答えなさいよ!?」
 カチューシャの少女、梓が苛立ちを隠しもせずに大きな声で言う。
「言葉通りの意味だ。用がある時には狼煙を上げてくれ。その時は村へ向かう」
「……それって、ここで生活するって事?」
「野宿はいつものことだ。村に戻れ神無」
 ヴォルフがそう言うと、肉焼き機に土が掛けられ肉を焼いていた火が消される。ヴォルフの正面に立った梓の仕業だ。
「……何のつもりだ?」
「貴方こそ何のつもり? 人と話す時は相手に顔を見せなさい。神無を見て話しなさいよ!」
 顔を上げたヴォルフに梓が怒声を上げる。彼女の顔には隠しようの無い怒りが宿っていた。
 梓の行為に苛立ちを覚えたヴォルフだが一理あったので、言われたとおりに神無を見ると、神無は悲しそうな顔でヴォルフを見ていた。
「私達ヴォル君に何かしちゃった? だったら……」
「何もしていない」
「なら……何がダメなの? どうして村にいられないの?」
「俺は人と触れ合えるようには出来ていない」
「何ソレ? 貴方、自分が何を言っているのか理解できているの? 人は一人では生きていけないのよ?」
 ヴォルフの言葉に、梓が呆れたような声を上げる。
「お墓参りの時に……何かあったんだね?」
 神無の言葉にヴォルフは顔を(しか)めた。
「やっぱり、そうなんだ」
 神無の言葉に、ヴォルフは何も言えなかった。
「……ヴォル君は、お墓参りの意味って知ってる?」
 神無はややあって問いかけた。それは人を侮辱するには十分な言葉ともいえたが、彼女は聞かざるを得なかった。
「何の意味がある? 死ねば土に返るそれだけだ」
「なっ!? アンタねえ! 人の命を何だと思ってるのよ!?」
 ヴォルフの言葉に梓が今にも掴み掛からんばかりの勢いで声を荒げる。
「アンタは生まれてきた事に、自分のご先祖様に何の感謝もないの!?」
 梓は更にヴォルフの外套の胸元の掴み上げて糾弾する。
「先祖に、感謝? 何だそれは?」
「……え?」
 ヴォルフの言葉に、梓は力なく手を放した。今の言葉
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