真夜中の遭遇。紅い曳光
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ターが姿を現し、最悪の場合、別の地からもモンスターが現れる。
運の悪い事にそれが相次いだ。
決定打となったのは敗北した件だろう。
角竜と言われる飛竜種、ディアブロスとの戦いでヴォルフは敗北した。
原因はヴォルフではなかった。討伐に参加したハンター達がヴォルフを貶めようと、事前の打ち合わせにヴォルフを参加させた上で、打ち合わせ通りに動かなかったのだ。
そのハンター達は事もあろうに、ヴォルフを一人で戦わせディアブロスに殺させ、最悪相討ちにしようとしたのだ。
だが、ヴォルフは過去にディアブロスの亜種ともいえるモノブロスを単独で撃破したことがあった。
この時は遭遇した場所が遮蔽物が殆ど無い完全な平地だったので、遮蔽物の多い場所に誘導すべく仕切り直しを試みたのだ。
そして、引くことに成功した後に誘い込む場所を検討していたところで、ディアブロス特有の甲高い咆哮を耳にしたのだ。
まさかと思って駆けつけた先で目にしたのは、散らばる無数の死体と、逃げ回るのがやっとなハンター達。そして、怒り狂った番のディアブロスだった。
ヴォルフが撤退して数分も経たない内に、ハンター達はよりにもよってディアブロスに見付かったのだ……事前情報には無かったもう一頭のディアブロスに。
それは黒色の固体だった。繁殖期に入って凶暴化した雌のディアブロスは、警告色として自身の身体を黒色に変色させる。
繁殖期の番の縄張りに入り、怒りを買ったものの末路など哀れなものだった。
ある者は種を象徴する猛々しい二本の角に、胴を鎧ごと貫かれた上で両断されて血と内臓をばら撒き、ある者はその棘付き鈍器のような尾を叩き付けられて着用していた鎧に身体を破壊され、ある者は踏み付けられてその身を粉砕され……などなどと、二目と見られない無残な死に方をした。
それを見たヴォルフの決断は早かった。角笛を吹いて二頭のディアブロスの注意を引き付けた上で閃光弾で視界を遮断し、その隙に乗じて生き残りと共に撤退したのだ。
そして、生き残り組は何とか一人の脱落者も出さずに撤退には成功したものの、彼らはヴォルフに牙を剥いたのだ。
自分達でヴォルフを罠に嵌めようとして自滅も同然の醜態を晒し、そこをヴォルフに助けられたというのに、彼らは事の全ての責任をヴォルフに押し付けたのだ。
それはギルドでも問題となり、ギルドの上役や依頼主側から意見等よりギルドからの追放すら検討され始めた。
そんな中、ヴォルフを罠に嵌めた者達の中に居ながらも、彼に命を救われた事に恩義を感じていた者の一人が、罪悪感から真実を公表したのだ。
ヴォルフ自身の身の潔白は証明されたわけだが、今度は彼らが追放処分を受けた。
その結果、彼等は真実を公表したハンターを裏切り者として報復に出た。しかし、ギルド
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