第九十八話 復活!ギガノスの蒼き鷹
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は近寄らないことだ」
「左様か」
「かって幾人もの勇者が彼女の料理の前に倒れていった。ここまで言うと・・・・・・わかるな」
「うむ」
ククルは深刻な顔で頷いた。
「その言葉。肝に命じておこう」
ククルはクスハの料理には近寄らなかった。結果としてそれが彼女の個性を守ることになったのであった。
その頃クスハはレーツェルの言葉通り多くの戦士を葬っていた。
「あれ、どうしたんですか皆さん」
彼女はある料理を目の前にして呆然とする一同を前にして無邪気にこう応えていた。
「できたてですから。熱いうちに召し上がって下さいね」
「・・・・・・あのさあ、クスハ」
シローが彼女に顔を向ける。
「はい」
「・・・・・・これ、どうやって作ったの?」
「どうやってってて。ごく自然に」
「ごく自然に」
「今回は素材を活かしてみました」
「素材を、ねえ」
「それで。こうなったのね」
アイナもあまりいい顔をしてはいなかった。
「そうですよ。それで盛り付けも斬新に」
「斬新に、か」
凱も言葉をなくしている。さしもの勇者王もであった。
「ええ。やっぱり料理は進歩ですから」
「進歩はいいけどさ」
もう一度シローが言った。
「これは。あんまりにも凄くないかい?」
「そうですか?」
やはり彼女にはわからない。
「幾ら何でも。これは斬新過ぎるぞ」
その料理は炊き込みご飯であった。それはまだいい。問題はそこに刺さっているものであった。
それは鮎であった。生焼けの。しかもそれは頭から墓石の様に突き刺さっている。何匹もの鮎が頭から逆さに炊き込みご飯に突き刺さっていたのだ。
「美味しそうですよね」
「・・・・・・ああ」
「そうね」
皆の答える言葉には元気がない」
「アイナ様」
ノリスが前に出て来た。
「ここは私が」
「いけないわ、ノリス」
アイナは彼を制止する。
「貴方だけにそんなことは」
「しかし」
それでも彼は行こうとする。
「お嬢様に何かあっては」
「構わないわ、だって私は」
「いや、俺が行く」
シローも前に出ようとする。
「アイナは俺が護るんだ」
「シロー・・・・・・」
「皆、下がってくれ」
今度は凱が出て来た。
「皆は生身だ。だがサイボーグの俺なら」
「凱」
「何とかなる。だから」
「皆どうしたんですか、そんなに必死になって」
わかっていないのはクスハだけであった。
「大丈夫ですよ。食べられますって」
「いや、それは」
「無理かも知れないわ」
「せめてお嬢様だけでも」
「皆の前に俺が出れば」
彼等は命を覚悟していた。だがここで思わぬ助っ人がやって来た。
「皆、大変だ!」
ブリットがそこにやって来た。
「どうしたんだ、ブリット」
「敵襲だ!ギガノスだ!」
「何、ギガノ
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