第零話 炎の覚醒その四
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「お母さんに似てね」
「お袋もそうだったのか」
「そうよ。低血圧なのよ」
自己申告による言葉である。
「これでもね」
「けれど母さん毎朝ちゃんと起きてるじゃないか」
「努力してるのよ」
それでだというのだ。
「それでなのよ」
「努力だったのか」
「そうよ。朝は気合よ」
母はここでこうしたことも夫と息子に話した。
「起床ラッパで起きるのと同じよ」
「それじゃあ海軍だよな」
中田は母の今の言葉に首を捻って述べた。
「帝国海軍だよな」
「今の海上自衛隊もそうよ」
「ラッパで起きるのかよ」
「そうよ、それは今も同じよ」
「ラッパでなあ」
「そう、ラッパでね」
起きるのが海上自衛隊だというのだ。
「それは陸自さんや空自さんも同じだから」
「何処もラッパか、自衛隊は」
「そうよ」
まさにその通りだと応える母だった。
「それが自衛隊なのよ」
「ラッパってまだ使ってたんだな」
「使わないと思ってたの?」
「今は放送とかあるだろうにな」
これが中田の意見だった。
「それでも違うんだな」
「違うわよ。とにかくね」
「とにかく?」
「美和子は?」
妹の話がだ。また出て来た。
「まだ起きないの?」
「いい加減またメール送るか」
面倒臭そうな顔でだ。中田はまた携帯を出した。
それからだ。メールを送ろうとする。しかしだ。
ここでだ。セミロングのあちこちに癖のある黒髪にだ。縦に大きく切れ長めになっている目に白のブラウスと黒いミニスカートにハイソックスのだ。少女が来た。小柄でだ。体型もまだ幼い感じである。
その少女が来てだ。中田達に話すのだった。
「おはよう」
「やっと起きたわね」
母がだ。その少女にやれやれといった口調で話した。
「全く。毎朝遅いわね」
「低血圧なのよ」
こう返す少女だった。その癖の強い髪を手で触りながら。
「それでなのよ」
「毎朝そう言うわね」
「だって本当のことだから」
「全く。早く御飯食べなさい」
母は少女にまた言った。
「用意できてるから」
「朝御飯何なの?」
「トーストとベーコンエッグよ」
実際に皿の上にあるその二つを少女の前に出してだ。そのうえで言うのであった。
「はい、これ」
「有り難う、お母さん」
その少女美和子は笑顔で母の言葉ニ応えた。
そのうえでだ。まずはトーストと手に取って千切って口の中に入れてだ。それを食べながら中田に顔を向けて話をするのだった。
「さっきのメールお兄ちゃんよね」
「俺の他に誰かいるか?」
「残念だけれどいないわ」
トーストを食べながら兄に話す。話す間に野菜ジュースをコップの中に入れている。
「あんなメール送るのはね」
「だろ?すぐにわかっただろ」
「起きろっ
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