第二十七話 愚劣な駒その十四
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「ちょっと終わらせたいからな」
「終わらせたいっていうと」
「それは一体」
「戦いじゃないぜ」
中田は剣士同士で行われるだ。それではないとした。
「こいつは剣士じゃないからな」
「やっぱりそうなんですか」
「この人はですか」
「ああ、剣士なんかじゃないさ」
あっさりとだ。中田は二人に言ってみせた。
「こんな何もない奴がな」
「剣士じゃないんですか」
「何もないからですか」
「ああ、こいつはエゴだけで何もない奴なんだよ」
壬本もちらりと見てだ。中田は二人に話す。
「勿論覚悟もな。それもない奴だからな」
「そういえば何か違いますね」
「だろ？刀の握りもおかしいだろ」
「はい、構えも」
闘いの中で見てわかったことをだ。上城はそのまま中田に対して答えた。
「おかしかったです」
「そういうことだよ。こいつは只の駒だよ」
「駒ですか」
「これは俺の憶測だけれどな」
とはいってもかなり確信を持ってだ。中田は上城に話す。何時の間にか二人の間から少し距離を置いた場所に位置してだ。そこから話していた。
「こいつは本物の剣士に利用されてるな」
「本物の闇の剣士に」
「こいつは馬鹿で無反省で卑怯でどうしようもない奴だ」
中田はまた壬本を見た。そのうえでの言葉だった。
「そんな奴を使おうと思ったらな」
「駒ですか」
「ああ、駒にするしかないからな」
それ故にだというのだ。中田は壬本のその本質を見切っていた。
そしてそこからだ。彼はそれだと言うのである。
「だからだよ」
「只の駒として」
「まあ。力の事前の調査だな」
「事前の調査っていいますと」
「勉強だよ。実験だよ」
わかりやすくだ。中田は上城に答えた。
「その為に使われてるんだな」
「あの、人を実験材料に使うって」
「よくあることさ。それも」
「非道ですね」
「普通ならな。けれどな」
またしてもだ。中田は壬本を見た。今の彼は卑屈そうな、それでいて反感に満ちた目で中田を見ている。しかし一言も言葉を出すことはできないでいた。
その壬本を見ながらだ。中田は上城に話すのだった。
「こんな奴だとな」
「実験材料の駒にするのもですか」
「当然だと思うぜ。誰の何の役にも立たない上に」
それに加えてだった。
「害にしかならないからな」
「無能なだけでなく有害ですか」
「本当にたまにそういう奴がいるんだよ」
また壬本を見ながらの言葉だった。
「それがこいつなんだよ」
「この人だから」
「だからな。その闇の剣士も手駒にしたんだよ」
「それはかなり」
「非道って非道だけれどな。こいつは仕方がないんだよ」
壬本をわかっているが故にだ。言い切っている言葉だった。
「実際にそうだからな」
「ですか」
「
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