青葉時代・追憶編
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うせざるを得なかったと言う事は、それだけあいつが――……。
「やっぱり、憎まれていたのか。残念だ、オレは結構あいつの事が好きになって来ていたんだが」
「ほ、火影様!?」
椅子に深々と腰を下ろしつつそう呟けば、ヒカクさんが目を剥いている。
私自身マダラ自体に憎しみを感じなかった分、最初の苦手意識が失せてくれば親しみ易い相手となっていただけあって、今回のマダラ出奔には正直無念さを感じ得ない。
「ここだけの話だが……聞いてくれるか?」
「ええ。何なりと」
泣き笑いの顔のヒカクさんに、こっそりと内緒話をする様に耳打ちする。
里の皆から選ばれての初代火影の地位。
それは皆に私が認められた様な証であって、正直凄く嬉しかったのだけれども、私は火影になる前からの目的を諦めるつもりは無かった。
「実はね……オレはそう遠くないうちに火影の地位を扉間か……マダラの奴に継いでもらうつもりだったんだ」
「……!」
「オレの後を引き継いでくれそうな忍びは、二人を置いて他にいないと思っていたしな」
「火影、様……」
歯を食いしばるヒカクさん。
黒い目が潤み出して、涙が流れ出す一歩手前で彼は目元を覆う。
「取り敢えず、あの馬鹿がいつ帰って来ても困らない様に、居場所だけは準備してあげないと。あいつだって木の葉の仲間なんだからさ」
「ありがとう、ありがとうございます……!」
軽く笑って肩を叩けば、感極まった様にヒカクさんが嗚咽混じりの感謝の言葉を告げて来る。
あいつがいなくなったせいで、こっちは物凄く大変だったんだからな。
帰って来たら、盛大に文句を言って仕事の山を押し付けてやらないと。
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