第六十四話 焼きものその二
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「もう一人出て来たな」
「ああ、五郎左殿ですな」
すぐにだ。池田は彼の名前を出してきた。
「あの方ですか」
「あの者。まだ若いがわしの頼りになる者じゃ」
「さすればこれからも
「何度も何度も経験してもらい然るべき時にじゃ」90
「五郎左殿もですか」
「あ奴は何でもそつなくできる」
それが丹羽の強みだった。伊達に若くして頭角を表している訳ではないのだ。
「無論戦もじゃ」
「さすればですか」
「経験を積んでもらいそうして」
「そのうえで」
「そうじゃ。頼りになる」
また言う信長だった。
「そうした者になってもらう」
「ですか。経験もですか」
「必要ですか」
「洗濯も慣れじゃ。続けていれば上手になる」
信長はこうも話す。
「だからこそじゃ」
「経験も大事」
「左様ですな」
「そういうことじゃ。では瀬戸じゃ」
「はい、瀬戸ですな」
何と慶次が応えてきた。
「間も無くですが」
「事前に向こうに話はいっておるか」
「それがしが手配しておきました」
池田が話す。
「それはもう」
「ふむ。手筈がよいのう」
「それがしも学びました故」
「呉下の阿蒙ではないというのじゃな」
「そのつもりです」
「よいことじゃ。それではじゃ」
「はい、今から瀬戸に」
こうしてだった。彼等が瀬戸に来るとだ。もうそこの民達が集っていた。そうしてだ。
信長に笑顔でだ。こう言ってきたのである。
「御待ちしておりました」
「まさか来られるとは思っていませんでした」
「ははは、、わしがここに来るとは思いもよらなかったか」
「はい、この瀬戸に一体何があるのか」
「それがわかりませんが」
村人達もだ。何故信長がここに来たのか全くわからなかった。
それでだ。こう言ったのだった。
「瀬戸にまことにですl
「一体何があるのでしょうか」
「うむ、まあまずは部屋の中に入ろうか」
こう言った信長だった。それを受けてだ。村人達の中で一際年配の者が出て来た。信長はその老人が出て来たのをみて言ったのだった。
「御主が瀬戸の長老じゃな」
「左様です」
その通りだとだ。その長老は曲がった背から話した。
「以前信長様は確か」
「うむ、来たことがある」
信長は笑みを浮かべて答える。
「一度だけな。馬でな」
「そうでしたな。その時のことは覚えております」
「懐かしいのう。ここに来て柿を食ったわ」
「それでここに来られた理由といいますと」
長老はその曲がった背でだ。考える顔で述べた。
「土のことですか」
「ふむ。わかったか」
「はい、瀬戸の土はよい故」
「それじゃ。では話すか」
「はい、それでは何処で」
「御主の家は何処じゃ」
笑ってだ。そのうえで長老に言ったのである。
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