IF 完全平和ルート
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かだろうね。でなきゃ、周囲を欺くためとはいえそんな話を受け入れる訳が無い。
――――ところがだ。
当のおばあさま自身は偽装結婚をしたものの、マダラの未来を奪う様な真似をした事にかなりの罪悪感を抱かれていたらしくてね。色々な所から将来有望そうな娘さんを見つけてはマダラに紹介していたらしい。……サスケ、溜め息を吐くな。ちょっとずれていた人だったんだよ。英雄の実体なんてそんなものさ。
で、だ。
戦国の世が遠のき、おばあさまが各国を回って国々との間で同盟やらを結ばれ、太平の世が訪れた時だ。
兼ねてからの懸念だった国家間の争いは当分起こりそうにない。そう考えたおばあさまはマダラに何をしたと思う?
……そう、離婚を持ちかけたんだよ。
今まで長い間演技に付き合わせて済まなかった。これで晴れてお前は自由だ。どっかで可愛い娘さんを見つけて結婚でも何でもしてくれ、ってな。
勿論、結婚式には祝儀くらい送ってやるぞ、とも付け加えたらしいぞ。
呆れる様に目元を覆って溜め息つくな、サスケ。さっきもいったが、御自身の価値を理解していないお人だったんだよ。
ん? やけに顔色が悪いな、サクラ。まあ、お前の懸念は予想通りだぞ。
何たって、その一言が原因で『終末の谷』での戦いが始まったと言っても過言じゃないんだからな。
戦いは苛烈極まり無い物だったらしい。なんせ、地形が変わる程の物だったからな。元々あそこには滝なんて無かったんだよ。
――――戦いの幕引き自体はあっけないものだった。
マダラが『貴様以外を妻にする気はない』と叫んだのが原因で呆気にとられたおばあさまが、その隙を突かれて敗北したからな。
腹を抱えてヒーヒー言ってるんじゃない、ナルト!
振り返ってみれば笑い話で済むが、当時の木の葉の人々に取っては里の存亡をも巻き込みかねない大事件だったんだぞ。……まあ、流石にそれは言い過ぎだが。
……喉が渇いたな。喋り過ぎてしまった様だ。
――シズネ、茶ぁお替わり!
こうして仮面夫婦は仮面を外し、晴れて元の鞘に納まったって訳だ。
初めからおばあさまが女として振る舞っているか、マダラ……おじいさまの方がさっさと素直になっときゃ良かったんだ。シカマルじゃないが、めんどくせー方々だったんだよ。
まあ、失いかけてその存在の大切さに気付くなんて事はよくある事だからな。
早めに気付けたマダラはまだマシな方だったんじゃないか? これで私の話は終わりだ。参考に成ったか、お前達?
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