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戦国異伝
第六十三話 岐阜その八
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「美濃にいい茶器があったのじゃがな」
「この稲葉山にですな」
「それが城に入る時に割れてしまったのじゃ」
 実に悔しそうにだ。信長は話す。
「そしてそのことを悔やんでいると帰蝶がのう」
「奥方様がですか」
「駄目なものは駄目とぴしゃりと言ったのじゃ」
 ここではだ。信長は悲しい顔を見せる。
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