第二十五話 使い捨ての駒その四
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「そのつもりです」
「そうですか。剣士の戦いを止める為に」
「こんな。自分の目的の為に戦って殺し合う戦いは」
「間違っていますか」
「僕はそう考えています」
俯きながらだ。上城は話していく。
「だから。それで」
「そうですね。確かに自分の為に戦うことはです」
「エゴですよね」
「はい、エゴです」
高代はすぐにだ。そうだと認めてきた。
「紛れもなくです」
「だから。そうした戦いは止めたいと思っています」
「しかし上城君は戦いたくないのですね」
「人と人が戦うことは嫌いです」
戦いを止めたいこともそもそも戦いが嫌いだからだ。しかしだった。
その彼の戦いを嫌う気持ちが彼を戦いから遠ざけようともしていた。相反するものが同時に自分の中にありだ。それ故に上城は迷い悩んでいるのだった。
だからだ。上城は今はこう言うのだった。
「ですがそれでもです」
「戦いは止めたいですね」
「こんな馬鹿な戦いは。先生には申し訳ないですが」
「いえ、構いません」
上城の謝罪はだ。高代は何でもないと返した。
「僕もそう思っていますから」
「この戦いは無意味ですか」
「そして醜くもあります」
「それでも戦われるんですね」
「夢がありますから」
その夢故にだとだ。高代に話していくのだった。
「その。理想の学園を作る為の」
「戦われてそうして」
「理想、夢ですね」
高代はこの二つの言葉を一つにして述べもした。
「それは現実にすべきものです」
「夢はですか」
「夢を目指しそれを現実のものにすればです」
どうかとだ。高代は顔をあげて正面を見ながらだ。自分の横にいる俯いてそのうえで力なく歩いている上城にだ。こう言って語りかけてくるのだった。
「それはとても素晴らしいことですね」
「そうですよね。夢を適えられれば」
「僕は言っていますね。夢を持ちなさいと」
高代がいつも生徒達に言っていることだった。まさにだ。
「そしてその夢をです」
「現実のものにすべきですか」
「そういつも君達に言っていますね」
「はい」
その通りだとだ。上城も答える。
「そうです」
「だからです。僕もです」
「先生の夢を」
「僕が理想とする学園を作りたいのです」
「具体的にはどんな学園ですか?」
上城はその内容をだ。高代本人に尋ねた。
「理想と仰いますけれど」
「はい、総合学校でして」
「総合学校?」
「そうです。八条学園は商業科もあれば農業科もあります」
工業科に水産科もある。当然普通科もだ。
「そして芸術学科や看護学科も」
「何でもありますよね」
「けれどそういうのじゃなくて、ですか」
「自然の中にあって自然と親しみ」
「自然と。ですか」
「そこに全ての国の生徒達が何の垣根もなく
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