第二十四話 七人目の影その十七
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「好き好んでやる奴もいるだろうけれどな」
「中田さんはなんですね」
「剣なんて一見すると格好いいさ」
剣自体にもだ。中田は言及してきた。
「けれど。どんなに格好よくてもな」
「戦う道具ですか」
「殺し合う道具だからな」
あえて露骨に包み隠さずだ。彼は言った。
「だから持たない、使わないに越したことはないさ」
「そういうことですか」
「そう思う。だから俺は出来る限り戦うことなく」
そのうえでだというのだ。
「目的を達成できればそれでいいさ」
「願いを適えられたらですが」
「確かに願いを適える為なら」
その為にはだとだ。中田はだ。
寂しい決意をその顔に見せながらだ。こう述べた。
「俺は戦うさ。決めてるさ」
「それでもですか」
「俺は戦わずに済むのならいいさ」
それならばだというのだ。これが中田の言葉だった。
「本当にな。まあ壬本はそれ以前だけれどな」
「そうした人はですか」
「どうにもならない馬鹿はいるさ」
目に嫌悪を宿らせて表情もそれに合わせてだった。
「そういう奴は絶対にな」
「戦ってそうして」
「ぶっ潰すしかないさ」
そうした輩にはだというのだ。
「あいつの場合は残念には思わないさ」
「全くですか」
「思う限界超えてるからな」
あまりにもだ。出鱈目な輩だからだというのだ。
「だからそうした相手は別だよ」
「ですか」
「まあ。焦らず落ち込まずな」
今度は教訓めいた言葉をだ。上城に話すのだった。
「決断すればいいさ」
「そうすればですか」
「ただ。決断するまでの間はな」
その間もまた、だ。問題だというのだ。
「気をつけなよ。油断はしないようにな」
「油断すれば死ぬからですね」
「死ななくても大怪我とかなるからな」
「剣道をしている時みたいにですか」
「剣道でもそうだろ?ぼーーってしてたら怪我するだろ」
「スポーツはそうですね」
「それと同じだよ。怪我をするし下手をすれば死ぬさ」
中田はやんわりと上城に話す。
「そういうことだからな」
「わかりました。ではその時は本当に」
「何をするにしてもな」
「注意してですね」
「そうしてくれよ。じゃあまたな」
「はい、それじゃあ」
こう話してだ。中田は上城、樹里と別れてそのうえで二人に手を振ってから学園の駐輪場に向かいそこで自分のバイクに乗り学園を後にした。そしてだ。
二人に戻ってだ。上城と樹里は今は無言で帰った。しかしだ。
その彼等を見ている影があった。その影は。
こうだ。忌々しげに言うのだった。
「あのですね」
「そうだ。君がだ」
「俺があの剣の力で」
「君が失ったものを取り戻すのだ」
「そうしてですね」
「君はまた幸せに生きられる」
見れば影は携帯を使
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