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戦国異伝
第六十一話 稲葉山入城その二
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左右の軍をそれぞれ率いるだ。柴田と佐久間が言った。
「ふむ。突撃か」
「総攻撃じゃな」
 それだとだ。彼等も確信したのである。そのうえで自身が率いる兵達に話した。
「ではそろそろじゃ」
「よいな」
 彼等がこう言うとだった。
 彼等の後ろに控える者達、柴田には前田と佐々が、佐久間には金森と川尻がついている。
 その彼等もだ。意を決した顔で述べるのだった。
「では我々もまた」
「殿の御命令が出ればすぐにですな」
「全軍を以て攻撃を仕掛けましょう」
「そして一気に」
「うむ、倒す」
「よいな」
 柴田と佐久間は彼等に話してだった。そのうえでだ。
 今まさに攻めんとする。しかしここでだった。
 信長はだ。突撃を言わずにだ。何とだ。
 斉藤の者達に対してだ。こう言ったのである。
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