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戦国異伝
第六十一話 稲葉山入城その一
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れは」
「また無謀な」
「篭城すれば危ういと思ったが」
 その場合はだとだ。龍興も読んでいた。
 しかし今織田軍は城を出て戦をしようとしている。それを見て嘲笑うのだった。
「勝ちはもらったな」
「はい、これで間違いなくです」
「あの城は陥落です」
「自分達から出て来るとは」
 こう言ってだ。また嘲笑う龍興だった。
 そのうえで彼は己の軍勢に号令を出そうとする。総攻撃をだ。
 だがここでだった。彼等にとっては不意にだ。
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