第二十三話 七人目の影その九
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「だから今日はラーメンだと」
「あそこね」
「それでどうかな」
「ええ、いいわ」
電話の向こうの相手もだ。笑った声でだ。
こうだ。広瀬に答えた。そうしてだった。今度は彼女の方から言ってきたのだった。
「それでだけれど」
「待ち合わせか」
「ええ。それは何処にしようかしら」
「駅前でいいんじゃないかな」
「駅前?」
「そう、そこでだ」
どうかというのだった。
「待ち合わせてそのうえでだ」
「二人でね」
「猛牛飯店に行こう」
「わかったわ。じゃあね」
こうしてだった。広瀬はその彼女と待ち合わせる為に駅前に向かった。そしてその駅前のだ。バスの駐車場、円形のターミナルになっているその前に立っているとだ。少ししてだ。
丸い顔で髪を肩の高さで切り揃えた細い眉の二十歳位の女が来た。
背は一六〇を少し越えた程だ。広瀬より二十センチ低い。目は丸めで唇は小さく薄い。そしてセーターにジーンズといった格好だ。その女が来てだ。
広瀬にだ。笑顔でこう言ってきたのだった。
「待った?」
「今来たところだ」
実際にそうだった。彼にしてもだ。
大学からここまで来てすぐだった。それでこう答えたのだった。
それからだ。こう女に言ったのだった。
「じゃあ今からな」
「ええ。ラーメン食べに行きましょう」
女も笑顔で広瀬に応える。こうしてだった。
二人でその店に向かう。店はごく普通のラーメン屋だ。ラーメン屋独特の中華風の内装だがそこには何処か日本の趣きも加わっている日本のラーメン屋である。
そしてそこには老若男女の客達が美味そうにラーメンを食っている。ラー油に胡椒、それに豚骨やトリガラの匂いで満ちた店だった。その店のカウンターに二人並んで座ってだ。
店の親父にだ。広瀬が注文した。
「特盛ラーメン二つ」
「二つかい」
「そしてもやしも山盛りで」
「どちらもだね」
「それでお願いします」
こうカウンターの、丁度中華鍋で炒飯を舞わせている親父に話したのだった。
「それとです」
「ラーメンだけじゃないんだね」
「餃子も二人前」
それも注文したのだった。
「後は炒飯も特盛で」
「食べるねえ。それもだね」
「はい、お願いします」
「わかったよ。じゃあね」
親父も笑顔で応えてだ。そのうえでだ。
広瀬の注文を受けた。それから暫くしてだ。
巨大な、麺が五玉は入る巨大な丼が二つ来た。スープは白い。
その白いスープの中に麺が実際に五玉はある。そしてだ。
チャーシュにナルト、メンマに葱にだ。もやしがこれでもかと積まれていた。
そのラーメンを出してからだ。親父は言った。
「はい、特盛ラーメン二つ、メンマどっさりね」
「はい」
「すぐに餃子と炒飯も来るからね」
こう言って
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