九話
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出過ぎると術の餌食になるぞ!」
敵の後衛二人組は術の規模こそ中忍レベルだが、その使いどころが非常に上手い。相手の出先を塞ぐようにして術を放つ。そうすることで、こちらの前衛の一人を上手く殺している。こちらのもう一人も後衛タイプなのだが、下手に迎撃すればその衝撃に前衛を巻き込みかねない。
そして最後の一人であるリンは医療忍者ということもあり戦闘能力は低く、クナイや手裏剣で援護しようにも敵との距離は開き過ぎている。これでは、援護した所で大した効果は望めない。
(俺が頑張るしかない、か)
向こうがこう着状態なのを見てとったカカシはこの状況で己で打破するしかないと悟る。そして、一瞬の隙をついて敵と距離をとり、一気に片方の目を覆い隠していた額当てを押し上げた。
そしてあらわになる紅き車輪の瞳。消耗は激しいが、ここはけちってなどいられない。
「あれは……」
「まさか!?」
幸いにも、相手は写輪眼を見て動揺している。この機会を逃さず、一気に
「いくぞ!」
勢い良く敵へと駆けだそうとした。……が、
「ぐ、あああああああああ!!」
突如響き渡る絶叫! それはカカシの仲間のもので……。カカシは動き出そうとしていた足をとめ、顔を横へと向ける。
そこには、火遁の豪火にその身を焼かれる部下の姿があった。
「まだ息はある! 早く!」
この場において誰よりも死に詳しいだろうリンがいち早く生存に気付き声を出す。だが、悲しいかな。忍は無茶な攻めを行ったが故に焼かれた。そして無茶な攻めを行ったが故に、仲間より敵の傍にいたのだ。
「回収しろ!」
カカシと矛を交えていた恐らく敵方の隊長と思われる男の指示を聞き、雲隠れの忍びはすぐさまそれを行う。
「撤収だ!」
そして、カカシ達が奪還のために攻撃を繰り出す暇もなくその場から姿を消した。
――――コイツを返して欲しけりゃかかってこい。任務は失敗だが、写輪眼を手に入れればおつりがくるぜ
どこからともなく聞こえる声。カカシ達は仲間を人質にとられ、その場に立ち尽くすことしかできなかった。
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