九話
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「これで最後か」
剣を持った兵士の喉元をクナイで切り裂き絶命させた後、カカシは辺りを見渡し一息ついた。周囲には一つも影は無く、いるのは仲間である三人の忍びのみ。後は未だ処理しきっていない食料を処分してしまえば、任務完了だ。
(あの嫌な感じは、杞憂だったか……)
任務に向かう最中カカシが感じていた予感。それは見事に外れ任務は順調に進んでいる。まだ気を抜くわけにはいかないが、安心の一つや二つしても罰は当たらないだろう。
「カカシ」
「リン、どうした?」
「これを……」
リンがカカシへとさし出したのは一本の巻物。カカシはそれを受け取り、罠が仕掛けられていないことを確認したうえで巻物を勢いよく広げた。
「なるほど、ね」
広げられた巻物。しかし、そこには記されているべき文字が欠片も見つからなかった。だが、カカシには分かっていた。この巻物に仕掛けられた秘密を。
「ッ!」
印を組み、巻物にチャクラを送り込む。すると、白紙だった巻物に次々と文字が浮かび上がっていく。この巻物の文字には、チャクラに反応して黒く変色する液体が使用されていたのだ。忍の世では割と頻繁に用いられるこの液体。今回は、おそらく割符のような役割で使われていたのだろう。その証拠に、巻物には雲隠れの里のシンボルマーク……その半分が映し出されていた。
「これって、つまり……」
「ああ。今回の件、裏で操っていたのは雲隠れの里だ」
この巻物があれば証拠には充分だ。一刻も早くこれを里に届けるべく、カカシも食料の処分に加わろうとしたその時だった。
「敵襲!」
大きな声が、響き渡った。その声の主が小隊メンバーのものであると理解すると同時に、カカシとリンの二人はその場から動いた。
「忍か!」
声を辿り駆けつけると、メンバーの二人が四人の忍びと交戦していた。その額に付けられたマークは勿論雲隠れの里のもの。どうやってこの事を嗅ぎつけたのか、はたまた最初から護衛に加わる予定だったのかは分からないが、戦闘はもはや避けられない。
「俺が前に出る! 援護を!」
上忍として小隊の中で最も強者であるカカシは敵の実力を最も正確に見抜いていた。向こうは前衛二人に後衛二人のオーソドックスな組み合わせ。すくなくとも前衛の二人は上忍クラスの実力者であり、カカシ以外が相手をするには荷が重い。
「くっ」
おそらく一対一ならカカシに負けは無かっただろう。しかし、今は二対一。相手は連携が巧みで、カカシが圧倒的に不利だ。そうとなれば、仲間の援軍を期待したいところなのだが……
――――雷遁・地走り!
――――火遁・豪火球の術!
「くっ!」
「前に
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