九話
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ら一歩抜け出し、リンはカカシに並ぶ。その口から出たのは今回の任務についてだ。今回の任務、木の葉は大名の裏で糸を引いているのは忍だと予想している。それが何処の里かは断定できていないが、忍の関与は確定的とカカシはこの任務を命ぜられる際に伝えられている。
「さて、ね。今回の輸送は食料だけとはいえ、護衛は一般兵だけだ。忍が関わってるともなれば、何らかの罠がかけられてる可能性もある。充分な注意が必要だ」
リンの問いかけにカカシは淡々と答えを返した。任務中とはいえ何だか何時もより素気ない態度にリンは首を傾げるが、特に何も言わず走り続けた。
当人であるカカシはと言うと、リンの視線が自分の顔から離れたのをいいことに盛大に眉をしかめていた。
(何だ、この感じ……?)
先ほど忍犬であるパックンに方角が合っているかを確認したあたりから、何だか気分がすぐれない。体調を崩しただとかそういった風ではなく、もっと感覚的なものだ。
(何も起こらなければいいんだがな)
カカシの不安を余所に、輸送部隊との接触は刻一刻と迫っていた。
「見えたぞ」
木々の中に身を潜ませ標的である輸送部隊を視界にとらえる。今の所、忍の気配は感じない。
「なるべく迅速に事を済ます。上空から火遁で奇襲し、一気に肩をつける」
「「「了解」」」
「それでは、散!」
皆が一斉にその場を離れ、輸送部隊の進路へと先回りする。そして、四人は綺麗な正方形を描くようにして部隊を展開。正方形の丁度中心へ輸送部隊が辿り着いた時、
(かかれ!)
首にとりつけられた無線越しにカカシの号令がかかる。初手を打つべくまずはカカシと中忍の一人が印を組みながら木を飛びおりる。
――――火遁、豪火球の術!
両者の口から吐き出された巨大な火の玉は護衛の兵士数人と荷物である食料を巻き込んで激しく燃え上がる! 突然の奇襲に輸送を担っていた者達は慌てふためき、避難誘導を行おうとする兵士の声が耳に入らない。
「やれ!」
「了解!」
次いで木から飛び降りた中忍が落下しながら数多の手裏剣、クナイを投じていく。それらは寸分たがわず敵の眉間やのど元に突き刺さり、その命を奪っていく。
「お前はそのまま食料を焼き払うんだ」
「了解」
「私も手伝うわ」
まだ燃えずに残っている食料の処理をリンと中忍の一人に任せ、カカシは一人兵士たちと対峙する。敵は各々槍や剣といった武器を装備してはいるものの、カカシからすれば身のこなしは素人同然であり、また隙だらけだ。
「それじゃあ、行くぞ!」
ホルスターからクナイを抜き放ち、カカシは一人兵士たちへとかけた。
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