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戦国異伝
第五十九話 一夜城その十
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はゆっくりと寝たいのう」
 一晩かけて大仕事を果たしたので。それだというのだ。
「そうしたいがな」
「では寝るか」
「それも考えておったか」
「夜通しじゃった。それではじゃ」
 眠りたくなるのも当然だというのだ。木下はそこまで頭に入れていた。
 それでだ。蜂須賀達にこう告げたのである。
「では皆の者、今日一日はゆっくり休め」
「はい、それでは」
「そうさせてもらいます」
 足軽達も応える。こうしてだった。
 彼等は一日たっぷりと休んだ。その前に木下は清洲の信長に使いをやっていた。それは当然ながら蜂須賀の忍の者である。
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