第六話
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トの勘とは違ってこっちには確信があるけど、間違いなくそうでしょうね。だってあのアンリエッタだし」
「そのあのを私達は知らないんですけれど………。それにしてもその物言い、ミス・ヴァリエールは姫殿下と面識がおありで?」
「ええ。………知っているわ。知っていますとも」
アンリエッタとの思い出を過ぎらせ、思わず溜息を零す。
「サイト。今日はしっかりと休養しておきなさい」
「あ、ああ」
さて、私の予感が正しければ―――今夜、私の部屋にアンリエッタは来る。
「いやね、フラグは立てたよ?でもあれは逆に来ないフラグでもあると思うんだ」
「どうしたのですか?ルイズ」
案の定と言うべきか。
夜遅くに不審者まっしぐらの格好で部屋に訪れたアンリエッタ。
事前に知らせてもらってなければ、無防備な延髄に一発かましていたところだった。
「なんでもないですよ、姫様」
「そんな他人行儀な………昔のようにアンと呼んでくださいまし」
「あらそう。じゃあアン、何しに来たのよ」
「………実は―――」
要約すると、
1.ゲルマニアに嫁ぐことになりました。
2.お国の為にこの身を捧げる私まじ悲劇のヒロイン。
3.でも、その婚姻が帳消しになる可能性がある。
4.その決定的材料になるであろう、ウェールズ皇太子当ての手紙(どうせ恋文だろクソが)を取り返してきて欲しい。
5.でもウェールズ皇太子のいる場所って、戦争真っ盛りのアルビオンなんだよねー。
「戦時中に一介の学院生徒と使い魔が隠密、ね。まともな判断じゃないわね」
「ええ、否定はしません。ですが、私はルイズなら出来るという確信があるからこそ、この場に赴いたのです。決して都合の良い関係を利用したいが為ではありません」
「だけど、ルイズが危険に曝されることに変わりはない。姫様、アンタとルイズは友人らしいけど、その友人に死刑宣告をしている気分はどうだ?都合の良い関係って、友人関係のことだろうけど、こうして密談での契約を取ろうとしている時点で、そんな言葉嘘っぱちにしか聞こえなくなるぞ」
まぁ、確かにそうだわな。
個人で出来ることには限界がある。
使い魔としては、そんな無謀極まりない行為に主を行かせようとする訳がない。
「―――しかし、このままではアルビオンは戦争に敗北。敵方であるレコン・キスタに手紙が渡ることになれば、同盟破棄は必至。王国内にこの情報が流れ、潜んでいるやもしれないスパイに情報が渡ろうものなら、その時点でお仕舞いです。公に事を構えることが出来ない以上、誰よりも心を許しているルイズ、貴方にしか頼ることができないのです」
私の両手を握り、潤んだ瞳で見つめてくる。
「最低な行為だとは重々承知しております
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