第六話
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なら、せめて私相手に勝率八割超えないとね。それでようやくお母様に一太刀入れられるかの瀬戸際だろうし」
夢の中の私が、杖を手に立ち上がる。
「ル、ルイズ?まさか―――」
「言いたいことはわかるわ。だけど、これでもお母様相手のトレースには弱すぎる。だからこそ、絶望的な差に今の内に慣れておけば色々と得じゃない?」
「いや、それは単に君が僕を的にしたいだけじゃ―――って、ちょっ、本気?いや、やめ、アッーーーーー!!」
「………目覚めがいいとは言い難いわね」
ワルドの情けない悲鳴が目覚ましの鐘だなんて、誰得なんだろう。割とマジで。
寝起きで固まった身体を動かし、外へと向かう。
毎朝の訓練メニューは欠かさず行わなければ、簡単に肉体は衰えてしまう。
それよりも、精神的惰性も身に付いてしまうのが一番恐ろしいんだけど。
「あ、あれはシエスタと………サイト。いつの間に知り合ってたんだろう」
広場に向かおうとしていると、シエスタとサイトが仲睦まじく会話しているのを発見。
今の今まで、二人がまともに接触している様子を見る機会はなかったけど、どうやら上手くやっているようでなによりだ。
―――でもあの様子だと、まだ朝練は終えていないのだろう。
それは良くないと思い、二人の下へ近づく。
シエスタが私に気が付いたらしく、それに続きサイトもこちらへと振り返る。
「サイト、朝練は終わったの?」
「は、朝練?そんなのとっくに終わってるっていうか、もう昼だぞ」
「え?」
「だから、もう昼なんだって」
―――まじか。
確かに太陽は真上を向いている。
朝にしては騒がしいとは思ってたけど、成る程。
「なんで起こしてくれなかったのよ」
「キュルケに止められたんだよ。お前、無理矢理覚醒させようとすると近くの人間に襲いかかるって聞いたから」
「あー………。だって、夜襲とかに対しての訓練とかもしてるから、身体が勝手に動いちゃうんだもん」
「だもん、じゃない。つー訳で自業自得な訳」
うー、なんか納得いかない。
「それよりも、俺が一番驚いたのはトリステインの姫が来訪したのに、それでも誰もルイズを起こそうとしなかったところだけど」
「え?」
本日二回目のえ?である。
「そうです!アンリエッタ姫が御来訪なされたんですよ、ミス・ヴァリエール」
「ぶっちゃけ王女の来訪というイベントに、体裁も何もかなぐり捨ててでも獅子の眠りを妨げないのは突き抜け過ぎだろって思う。教師仕事しろ」
「その獅子の一撃を受けてみる?」
「勘弁してくれ。………それよりも、王女様が何で学院に来たんだろうな。俺の勘だと、面倒事が舞い降りてきそうな予感がする」
「面倒事ね。サイ
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