暁 〜小説投稿サイト〜
久遠の神話
第二十二話 広瀬の礼儀その八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「ですから」
「それでか」
「そうです。古代ギリシアの文献ですが」
「それか。だから結構知ってるんだな」
「前にお話したと思いますが」
「そういえばそうか」
「はい、あくまで文献にあるだけですが」
 こう断って言う聡美だった。
「そこにあるだけしか知りません」
「じゃあこれからその文献に載ってただけのことでもな」
「戦いのことをですね」
「教えて欲しいけれどいいか?」
「はい、私にできることなら」
 このことはすぐに言えた聡美だった。
「そうさせてもらいます」
「じゃあ頼むな。本当に謎だらけだからな」
 中田は戦いの渦中にいるからこそ言った。そしてだ。
 困った顔になりだ。こうも述べたのだった。
「戸惑うよな。そもそもあの声、何か戦いを動かしてるけれどな」
「あの声ですか」
「あの声も誰のかわからないしな」
「あの声は」
「文献に載ってたかい?声の主は」
「いえ、それは」
 目を一瞬だが泳がせた。しかしそれはすぐに戻してだ。
 そのうえでだ。聡美は中田にこう話した。
「文献にもです」
「載っていなかったんだな」
「ただ。あの声は間違いなくです」
「戦いを動かしてるんだな」
「そのことは間違いありません」 
 このことは確かに言えた聡美だった。
「ですからあの声に対してです」
「調べていくか」
「そうすることも大事だと思います」
「だよな。まあとにかくな」
「はい、戦いはです」
「俺は戦うさ。そうするからな」
「では私は」
 聡美は剣士ではない、しかしだった。
 だがそれでも戦いを止めることを決意していた。何としてもだった。
 その話をしてからだ。中田は食べ終えたところでだ。今度はこう聡美に話した。彼女も丁度彼女の定食を食べ終えた。そのうえでの話だった。
「ああ、食ったしな」
「食べたからですか」
「デザートどうだよ」
 それはどうかというのだった。
「デザート一緒に食わないか?」
「そうですね。デザートを」
「美味いぜ、ここの食堂のデザートは」
 中田は食後の満足感に加えてだ。さらに食べようという意志を出してだ。
 その満足感と向かうものを絡ませてだ。そして言ったのだった。
「しかも安いしな」
「美味しくて安いのですか」
「しかも量が多いんだよ」
「三拍子揃ってるのですか」
「ああ。だからどうだい?」
 聡美にまた提案する中田だった。
「ここのデザートもな」
「そうですね。それでは」
 少し間を置いてからだ。答える聡美だった。
「ご一緒に」
「じゃあ何を食うんだい?」
「デザートのメニューは」
「店の入り口にあっただろ?ケーキやアイス、何でもあるぜ」
「何でもですか」
「ゼリーに何でもな」
「そうですか。それなら」
 何で
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ