第九十一話 ビムラーの意志
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君のコンデションは彼女が全て管理しているのだったな」
「そうだが」
「ではこれは飲まない方がいい。わかったな」
「わかった。じゃあ止めておく」
「賢明な判断だな」
「そんなに今回のも凄かったんですか」
クスハはまだわかっていなかった。
「凄いなんてレベルじゃないよな」
「そうだよな」
ギュネイとハリソンがそれを聞いて囁き合う。
「俺はあの時誰かの声が聞こえた」
「強化人間からニュータイプになったのか?」
「いや、川が見えたから多分違うな」
「そうか、生きていて何よりだったな」
「ああ」
「・・・・・・お邪魔します」
ここでOVAが食堂に入って来た。
「どうしたんだ、OVA」
勇がそんなOVAに声をかけた。
「落ち込んでるみたいだけど」
「はあ・・・・・・」
見れば本当にそうであった。OVAの声が沈んでいた。
「あれっ、そんなのわかるのか?」
一矢がそれを聞いて勇に問うた。
「ああ、何となくな」
「そうか」
「ケン太や護程じゃないけれどわかってきたんだ」
「ネリーさんのおかげかな」
「多分な」
ヒメにも答える。
「それでOVA、どうしたんだい?」
「ええ、実は」
OVAは勇達にケン太のことを話した。
「何か。寂しいんですよ」
「そうか」
「私にはわかるよ」
「どういうことなんでしょうか」
OVAはヒメに尋ねた。
「OVAはケン太にとってお母さんだからね」
「私が・・・・・・お母さん」
「だからだよ。寂しいのは」
「どういうことなんでしょう」
「子供が成長していくから。寂しいんだ」
「成長」
「巣立っていくからだよ。私もクマゾー達の世話してるからわかるんだ」
「そうなんですか」
「けれどそれっていいことなんだよ」
「いいこと」
「そうだよ、ケン太が成長しているって証拠なんだから」
「ケン太君が」
「巣立ってるんだ。OVAはお母さんなんだからそれを見守っていればいいんだよ」
「それでいいんですね」
「そうだよ。だから安心していいんだ」
「わかりました。それじゃあ」
「ケン太君も大きくなっているんですね」
クスハが言った。
「少しずつ。大きくなって」
「いくんだよな。子供ってのは」
勇はそれを聞いて感慨深げに述べた。
「そして大人になる、か」
「何か今日はやけにロマンチストだな」
「そうかな」
一矢に応える。
「俺もよくそうだって言われるけれどな。今日の勇もな」
「一矢さんのロマンは現実のものですから」
「クスハ」
「エリカさんとのこと、皆が応援しているんですよ」
「ああ」
「ですから。頑張って下さいね」
「わかった。絶対にエリカをこの手に」
「はい。じゃあ気付のジュースを」
「いや、それは勘弁してくれ」
そんな日常のやりと
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