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NARUTO 桃風伝小話集
その10
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四人で円になってお弁当を広げるとか、まるでちょっとしたピクニックの様です。
何だか居心地が悪い。

「さて。それじゃ、遠慮なく頂こうか」
「あ、はい。どうぞ」

私の声に率先して蓋を開けたカカシさんは、一言声をあげて固まりました。

「これは!!」

何だろう。
何をそんなに驚いてるの?

カカシさんの声に、私は自分の分のお弁当を開きました。

雑穀ご飯に、梅干しと黒胡麻。
鮭の切り身ときんぴら牛蒡と青菜のからし和え。
ポテトサラダの彩りにサラダ菜とプチトマトを添えた、見た目、栄養バランス共に整ってるお弁当です。

私もサスケも育ち盛りだし、忍びとしての身体造りは基本だし、食に手は抜けません。
最近は、詰め方も板について来ました。
ちょっと自慢ですけど。

そう思った時、カカシさんは驚いた声で私に問いかけて来ました。

「ナルト。お前、本当にこれをお前が作ったのか?」
「はい」

否定する必要は無いので、素直に頷きました。
早速サスケは食べ始めてます。

「美味しい…」

春野さんが呆然と呟きました。
美味しいと言われて、私はすごく嬉しくなりました。

「そう?良かった。口に合って。駄目な物があったら残して良いからね」

サスケはいつも何でも食べてくれるけど、味については何も言ってくれないんだよね。
こっちから聞けばあれこれ言ってくれるけど。
そして、実は今日のポテトサラダはいつものサラダとはちょっと違います。
それに気付くだろうか。
ポテトサラダを口に運んだサスケがちょっと固まりました。
私に視線を送ってくる。

「何、サスケ。何かまずかった?」
「いや、逆だ。お前、これに何入れた?」
「チーズ」
「ふうん」

それっきり黙々とお弁当を食べ続けるサスケに、私はちょっと聞いてみた。

「気に入ったんなら、また作ろうか?」
「頼む」
「分かった」

このサラダ、実はヒナタが考えてくれたんだよね。
味見してみたけれど、私も嫌いな味じゃなかった。
今度からポテトサラダ作るときは、いつもチーズ入れてみようかな。
栄養価もあがるし。

そんな事を考えながら、私は自分のお弁当に手を付け始めた。
やっぱり、胡麻塩じゃなくて、ただの黒胡麻にしたのは正解でした。
この鮭、ちょっとしょっぱかったです。
全体的に、塩気を抑えて置いて良かった。
味的にもバランス取れてます。

心配していた事が解消されて、ちょっぴりほっとした時でした。
カカシ先生がいつの間にか空になったお弁当箱にお箸を置いて笑顔で言ってきました。

「いやあ、うまかった。ナルトは良い嫁さんになりそうだね」

ぴしり、と空気に罅が入ったような気がしました。
事実、私とサス
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