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戦国異伝
第五十七話 前田の怒りその三
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まりない木下だった。兵法書についてもあまり明るくはないのだ。
 だが、だった。森はだ。
 さらにだ。木下に話した。
「そういうよさではないのだ」
「軍略ではなく」
「その他の。あらゆることに対しての機転じゃな」
「それがあるというのですか」
「御主はそのことについては誰にも負けてはおらん」
 それだというのだ。彼にあるのは。
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