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戦国異伝
第五十五話 美濃の神童その十一
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まさに一石二鳥であった。信長は伊勢の時と同じくだ。
 そうしていってだ。戦略を進めていくのだった。
 その話が終わってからだった。彼は。
 今度はだ。こんなことを言った。
「さて、今日の話はこれで終わりじゃ」
「さすればですか」
「今宵は」
「宴じゃな。そうなっておったな」
 信長は酒は飲めないがそれでもだ。宴は好きなのだ。
 それでだ。今宵もだというのだ。
 その中でだ。笑みを浮かべて話す。
「伊勢の魚は美味だったのう」
「それに海老もですな」
「どれも」
「餅もよかった」
 信長は餅も好きだ。それで言ったのだった。
「小豆も使っておったしな」
「ですな。殿のお好きな甘いものもありましたし」
「あの地はよいものでした」
「また行こう」
 己の国になっただ。その伊勢にだというのだ。
 そうした話をしてだった。彼は今は宴を楽しむのだった。そのうえでだ。美濃の動きを見るのだった。今はそうしていたのだった。


第五十五話   完


                      2011・8・26
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